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“誰もビビらない”ドルトムントとの差を痛感、憲剛「Jでは味わえない体験だった」

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[7.7 Jリーグプレシーズンマッチ ドルトムントアジアツアー2015 川崎F 0-6 ドルトムント 等々力]

 世界トップレベルのプレーに、日本屈指の司令塔も脱帽するしかなかった。ドルトムントに0-6の完敗を喫した川崎フロンターレMF中村憲剛は「世界のトップクラスとは、こういうことなんだなと感じました」と声を落とした。

 序盤から圧倒された。前半5分にMF香川真司に先制点を許すと、同36分に再び香川にネットを揺らされた。後半に入ってもドルトムントの猛攻をしのぐことができず、4点を追加される。後半開始からピッチに立って“世界”を体感した中村は、ドルトムントとの差をこう表現した。

「自分たちがやっている止めること、蹴ることなどの突き詰める部分の先を彼らは行っていた。しっかり強いボールが蹴れる、それを止められる。それだけで、相手が大して動いていなくても崩されてしまった」

 蹴る、止めるという基本を高いレベルでこなせる。それが、Jリーグとの大きな違いだと言う。「しっかり止められるから周りも良いタイミングで動き出せるし、無駄が本当にない。Jリーグだったらプレスに行くと嫌がったり、ミスもありますが、誰もビビらなかった」。

「Jリーグでは味わえない体験だった」。レベルの差を痛感した一戦となったが、当然プロとして「悔しい」と唇を噛む。すると、「もっと早く、このレベルを体験したかった」と34歳のベテランは苦笑。世界トップレベルをもっと早く体験していたら、現在の自分はどうなっていたか――。そう、自問しているようだった。

(取材・文 折戸岳彦)

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