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[総体]PICK UP PLAYER vol.1_MF山本蓮(久御山高)

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「テレビで観る選手権はもう飽きました」。今年2月、新人戦に挑んだ際に久御山高のMF山本蓮(3年)は、冗談交じりに今年にかける意気込みを口にしていた。

 技巧派集団・久御山でも群を抜いて上手いテクニックと軽やかな身のこなし、そして人とはちょっと違うプレービジョン。一目見ただけで、明らかに目立ち、プロからも注目を集める選手だが、高校に入ってから全国の舞台に立ったことはない。

 元々、京都サンガF.C.U-15に所属していた彼が久御山を選んだ理由は3歳年上の姉が第89回全国高校選手権大会で久御山のマネージャーを務めていたから。中学1年生の頃にテレビで見た全国の舞台で躍動するエンジ色のユニフォーム姿は鮮明に残っている。U-18に昇格できないと分かってからは他校からも声がかかったが、久御山に入学することに迷いはなかった。

「歴代でもトップクラスの選手。上手い選手って怖がりだったりするんですけど、メンタリティも強い」。松本悟監督がそう評価するように、高校に入ってからも上手さはピカイチ。1年生の頃から出場機会を掴むと、2年生からはチームの主軸に君臨。センスだけでやってきた彼にとっては、「周りがサンガほど上手くないから、自分でやらなきゃならない。2年生でも指示を出さなきゃいけないし、試合中に先輩を呼んで話をしなきゃいけない環境が彼を育てる」ことも好都合だった。

 昨年は確か成長を感じ、「(松本)先生には定年まで残り時間がない。僕たちが先生を優勝させます」と力強く口にしていたが、選手権に出場することはできず。1年生の時に続いて、憧れの舞台を自らではなく、京都橘高が活躍する姿をテレビで眺めるしかなかった。

 夢を叶えることチャンスはあと1回。今年は2月に新人戦を制し、総体予選でも京都代表の座を手にするなど、ここまでの準備は順調。総体予選時も、「選手権で優勝するのが目標」と口にしていたようにターゲットに変わりはないが、「京都だけじゃ満足できない。全国で暴れまくりたい」と初めての晴れ舞台に気持ちを高ぶらせている。

 全国総体では、桐光学園高(神奈川1)と初戦でぶつかり、2回戦では青森山田高(青森)と相見える。「凄いブロックに入っちゃいましたね」と笑うが、強豪と対戦するのは注目をより集めるチャンスでもある。5年前の山本蓮と同じように、今年の全国総体でもエンジ色のユニフォームに心を躍らせる少年が表れても不思議ではない。

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。
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