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[MOM1413]広島ユースDF加藤威吹樹(3年)_「勝たせることはできないけれど、戦わせることはできる」闘将が好守連発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.22 日本クラブユース選手権(U-18)大会GS第1節 広島ユース 1-1 磐田U-18 敷島補助]

 この日、何度磐田U-18の決定的なシーンを掻き消しただろう。サンフレッチェ広島ユースDF加藤威吹樹主将(3年)は前半31分に左サイドからのラストパスに反応したFW立川嶺のシュートをブロック。後半12分にも味方のミスから決定的なピンチを迎えたが、再びMF興津利弥のシュートをブロックして味方を救った。沢田謙太郎監督が「(一人ひとりの)粘り強さをチームとして繋げてくれているのはアイツ」というDFは声でチームを鼓舞しながら、自らも集中力高い守備で最終ラインの砦となった。

「最後の最後で身体張るところはチームにとって必要なところ」という加藤威は「やるべきことはチームを勝たせるために。自分は上手さがないので、チームを勝たせることはできないんですけど、戦わせることは自分はできるのかなと思う」。この2つのプレー以外に相手の好機に素早く反応して身体を投げ出して防ぎ、球際での激しい守りなどでチームを後方から勢いづけた。

 今年のプレミアリーグ開幕戦は左MFとして先発し、高精度の左足クロスで双子の弟であるFW加藤陸次樹のハットトリックと勝利に貢献した。だが「守備がちょっと失点が多かったので、自分も守備をやってみたいというところもあった。澤田さんと話して、後ろから前に上がって行く方が自分としても得意なので」と左DFへ転向。得意の左足フィードで攻撃の起点になりつつ、機を見ては左MF前田武勇との連係から敵陣深く切れ込んでラストパスを出すシーンも見せるなど攻撃面でも力を発揮していた。

 「憧れ」というトップチームの森崎和幸、森崎浩司の森崎ツインズのように、弟・陸次樹とともにトップチームで活躍することが目標。「まずはこの大会でいい結果を出して、自分的にも、チームとしてもいい結果を出せるようにしたい。(磐田U-18戦は)引き分けで終われたので残り2試合勝ってトーナメント上がっていい結果で終われるようににしたい」。後方からチームを「戦わせる」DFがまずは激戦区を突破する力になり、目標に一歩でも近づく大会にする。

(取材・文 吉田太郎)
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