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[総体]PICK UP PLAYER vol.3_FW永藤歩(市立船橋高)

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特集企画「全国高校総体PICK UP PLAYER」

 名門・市立船橋高の韋駄天がゴールへ襲いかかる。FW永藤歩は、前線にスペースが生まれれば、相手の想像を超える加速で一瞬にして敵の守備網を切り裂く。昨年からエース格として存在感を示してきたが、シーズン終盤は肉離れを起こしてトーンダウン。肝心の高校選手権予選の決勝で力を発揮することができず、悔しい思いをした。

「昨年、2年でプレミアリーグに出場させてもらって、スピードやドリブルでチャンスメークをする部分は通用すると分かった。でも、相手に隠れてから抜け出すとか、ボールをもらう前のポジショニングなどの駆け引きが足りないと感じた。選手権予選は最後でチャンスを逃して悔しかった。今年は良いところまで勝ち上がりたい」と最終学年でのブレークに闘志を燃やしている。

 朝岡隆蔵監督は「ちょっと、異次元の速さを持っている。最近は動き出しも良くなってきた。ときどき、彼は他の選手と同じことをしようとするけど、違うと言っている。彼に対しては、基本的には、全部(抜け出しと突破を仕掛けて)行けと。後ろ向きの状態でパスを受けて、一度、味方に渡すプレーは(他選手と同じように)あってもいい。だけど、預けたら必ずもう一度抜け出しに行けと言っている」と、永藤に対するアプローチ法を明かした。

 ワイドでボールを持ってからの推進力にはすでに定評があったが、課題だった駆け引きの部分も向上し、最前線で相手DFラインの背後を狙う動きも鋭さが増した。持ち味であるスピードの生かし方を徹底してたたき込まれてきた成果は、U-18日本代表選出という形でも表れ、その際には「持ってから何かができるわけではない。裏への抜け出しを見せたい」と特徴の発揮に自信を見せた。

 市立船橋は言わずと知れた全国区の強豪だ。対戦相手が自陣にブロックを築いて待ち受けることも珍しくない。その中でわずかなスペース、一瞬のタイミングを逃さずにチャンスを永藤が切り取れるかどうかが躍進の鍵となる。

執筆者紹介:平野貴也
1979年生まれ。東京都出身。専修大卒業後、スポーツナビで編集記者。当初は1カ月のアルバイト契約だったが、最終的には社員となり計6年半居座った。2008年に独立し、フリーライターとして育成年代のサッカーを中心に取材。ゲキサカでは、2012年から全国自衛隊サッカーのレポートも始めた。「熱い試合」以外は興味なし。
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