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[クラブユース選手権(U-18)]連れて来てくれた仲間に感謝、横浜FMユースは注目FW和田主将が「恩返し」のゴール

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[8.1 日本クラブユース選手権(U-18)大会決勝 横浜FMユース 5-3 大宮ユース ニッパ球]
 
 勝負の行方を大きく傾ける1点。4-3から2点差へと開く一撃を決めたのは横浜F・マリノスユースのエースFW和田昌士主将だった。
 
 後半38分、左サイドタッチライン際のスペースでMF阿部隼人からのパスを受けた和田はPAまでボールを運ぶと、深い切り返しでDFのタックルを外し、左足シュートをゴール右隅へねじ込む。シュートブロックに来たDFの股間を射抜いたシュートは決して強いボールではなかったが、それでも正確にゴール右隅へ沈められた。

「中に入っていって、ファー巻きか、ニアにズドンかで迷ったんですけど、相手を引き付けられているなと思った。深い切り返しをしたら相手剥がれたので、(次の)相手がその後足出してくると思って、逆サイドに狙ったら股を抜けて入るかなと。イメージ通りでした」

 最後は自分が決めて勝ちたいという想いを持っていた、和田は今大会開幕直前に足首を負傷。群馬県内で開催されたグループステージと決勝トーナメント2試合を欠場した。トップチームのJ1、ナビスコ杯でベンチ入りを経験しているエースがいない状況だったが、横浜FMは見事に準決勝進出。和田も準決勝での復帰を目指して調整し、準決勝では交代出場を果たす
。決勝も同じく交代出場だったが、試合を決定づけるゴールを決めた。

「三ツ沢まで残ってくれた仲間に恩返しじゃないですけど、(自分が)こうやって帰ってきて、いきなりメンバーに入って、そうしたら外れるメンバーもいる。そういう人たちの分まで頑張んなきゃいけないと思った」。このゴールは仲間たちへの感謝の思いを形とした一撃でもあった。

 ゴールを決めた和田はスタンドから祝福するチームメートたちの下へ。そして仲間たちが広げた腕の中へ飛び込んで、喜びを分かち合った。「1年生の時に3年生が優勝して。あれやりたいなと思っていた。やれてよかったです。(横浜FMは今大会)交代の選手も、きょうメンバーに入っていない選手も得点してくれたりしたんで、本当に全員で獲った優勝だと思います」。

 今後、和田がユースチームで活動するのか、トップチームに合流するのかは未定。「ユースでもトップでもやることは変わらないと思う。自分も持っている力を常に出して常にアピールできるようにしたい」。仲間の支えによって優勝カップを掲げた和田は、どの舞台でも全力でチームの勝利のために戦う。

[写真]後半38分、横浜FMユースは5点目のゴールを決めたFW和田がスタンドの仲間たちと喜ぶ

(取材・文 吉田太郎)
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