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[クラブユース選手権(U-18)]3年生8人と少数もチーム全員で掴んだタイトル、横浜FMユースの目標は3冠と

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[8.1 日本クラブユース選手権(U-18)大会決勝 横浜FMユース 5-3 大宮ユース ニッパ球]

 横浜F・マリノスユースの3年生は8人だけのチーム。決勝も3年生の先発はゲーム主将のMF小松駿太ら4人だけで2年生7人が先発していた。それでも松橋力蔵監督が「誰が出ても変わらないというのは今、ウチのチームの強みだと思います」と語っていたように、先発、ベンチ、そしてこの日スタンドで応援していた選手たちのレベルも変わらないのが横浜FMの強さの秘訣。グループステージから計21選手が出場するなかでも全7試合で勝利を収めて頂点に立った。

 決勝では決勝トーナメント初出場のDF坂内祐太が勝ち越しヘッドを決め、怪我明けで、同じく交代出場のエースFW和田昌士主将がダメ押しゴールを決めた。すでにトップチームで公式戦のベンチ入りを果たしている和田であってもコンディションが上がらなければ当然先発からは外れることになる。昨年、神奈川県選抜として国体優勝を果たしているFW渡辺力樹や右SB常本佳吾ら18人いる2年生たちは伸び盛り。坂内は「(2年生たちは)一人ひとり上手くて少し気を抜いたら差が開いてしまう。普段の練習から緊張感を持ってやっています」と語っていたが、練習からの競争が選手層をより厚くした。

 大会開幕前、プレミアリーグ勢に比べると前評判が高くなかったことは確か。それでも指揮官も認めた通り、チームは大会期間中に成長した。FW中杉雄貴は「(グループステージから準々決勝までが行われた)群馬で凄いタフな試合があったけれど、チームの中ではどんなに暑くても『暑い方が俺らは負けない』という自信があったし、群馬の戦いが自信になったと思う。3年の人数が少なくて、期待はあまりなかったと思いますけれど、その中で優勝できたのは嬉しかったです」。そして和田は「俺ら8人で少ない中でやってきて、でも、みんないいもの持っているし、自覚もあったし、最後取れて良かったです。他のチームからくじ運がいいとか思われたかもしれないですけど、こんなに強い大宮相手にこうやって勝てたことで、自分たちの力も証明できたと思うし、日本一になったマリノスが一番強いと思います」と胸を張った。

 小松は優勝直後のインタビューで「Jユース優勝、プレミア昇格という目標がある。まだまだタイトルを取りたい」と言い切った。まだ一度も立ったことのないプレミアリーグの舞台への昇格と、Jユースカップ制覇を目指してまた全員で競争しながら力を高める。

(取材・文 吉田太郎)
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