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[総体]全国決勝で大商学園にリベンジ、女子は苦しい時期乗り越えた日ノ本学園が4連覇

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[8.9 全国高校総体女子決勝 大商学園高 0-0(PK4-5)日ノ本学園高 ノエスタ]

 全国ファイナルでリベンジ! 地元・兵庫の日ノ本学園高(関西2)が近畿予選決勝で敗れている大商学園高(関西1)をPK戦の末に下して4連覇を達成した。田邊友恵監督は「選手がよく頑張ったなと思います。近畿で負けている相手だったので、ここに来て調子が上がったとは言え、凄いしんどい中で頑張ってくれました」と前後半と延長戦を含む90分間、そしてPK戦を戦い抜いた選手たちに感謝。左SB中田有紀主将(3年)は「4連覇がかかっていて(近畿予選後など)苦しい時期もあったんですけど、何とか連覇することができたのは嬉しかったです」と胸をなで下ろしていた。

 雪辱の舞台となった決勝では相手にセカンドボールを拾われ、大商学園のFW山田仁衣奈とFW西山皐月の2トップのスピードに苦しめられてポストに救われたシーンもあった。それでも日ノ本学園はDFラインの背後のスペースをGK米澤萌香(1年)が良くケアし、後半27分には相手の決定的なシーンで中田がシュートブロック。以前は「あれがスカスカ入っていた」(田邊監督)ような場面でも耐えて無失点で試合を進めていく。敵陣ゴール前までボールを運びながらも1点が遠く、田邊監督は「シュートの強さとか決定力とか課題だなと思って見ていました」と指摘したが、それでも0-0で突入したPK戦を5-4で制して日本一に輝いた。

 近畿予選決勝での敗戦がチームを変えた。総体は全国3連覇中で昨年、一昨年は高校女子選手権も優勝した女王・日ノ本学園だが、近畿大会は決勝で大商学園の堅い守りをこじ開けることができず0-1で敗戦。中田は「悔しさだけが残った近畿大会だった」と振り返る。

 近畿予選での敗戦後、攻撃面では欠如していたシュートへの意識を高め、チームとしては取り組む姿勢に加え、ちょっとした忘れ物があったりという、オフの部分で土台から見つめなおした。選手同士がごまかすのではなく、本音を言い合ったことでチームはまとまり、今大会は「インターハイは(Bチームの選手も)凄いついてきてくれたので良かったです」(中田)という一体感があった。現メンバーで昨年の決勝で先発していたのはFW黒田桂子(3年)とMF平塚万貴(2年)の2人だけ。決して経験値の高くないチームは今年、練習試合でも敗戦が多いという状況だったが、勝ち取った優勝に田邊監督は「自分たちもやればできる自信になったと思います」と目を細めた。

 優勝はしたが中田は「まだまだですね。去年は中盤とか真ん中のラインに落ち着きがあったし、サイドもガンガンだったので、そのくらい落ち着きが欲しいですね」という。それでもチームが成長しているのは間違いない。米澤は「今大会もチーム力が上がっているし、近畿の決勝よりも変わっているので、選手権へ向けてまた変わっていきたい」と力を込めた。

(取材・文 吉田太郎)
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