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[総理杯]3連覇目指す流通経済大、DF湯澤&FW渡辺弾で鹿屋体育大下す

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[8.10 総理大臣杯2回戦 鹿屋体育大 1-2 流通経済大 ヤンマーフィールド長居]

 第39回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの2回戦が10日に行われ、鹿屋体育大(九州2)と流通経済大(関東2)が対戦。前半に奪った2ゴールで逃げ切りに成功した流通経済大が、準々決勝進出を決めた。

 3連覇を目指す流経大だったが、「初戦だったので、思った通りにはいかないだろうと思っていた」とDF田上大地が話したように、序盤は堅さが見られる展開となった。しかし、「相手の勢いに飲まれる前に飲みこもうと話していた」(DF湯澤聖人)通りの早い段階で、攻撃のエンジンをかけると、12分には左CKからDF今津佑太がゴールを狙った。

 試合が動いたのは前半22分。「総理大臣杯に入る前から、逆サイドのクロスにSBがドンドン入っていこうと練習から意識していた」湯澤が左サイドからのクロスに合わせて、ゴール前に進入すると、胸トラップから素早く右足を振り抜き、ゴールを射抜いた。

「公式戦でのゴールは中学生の時以来。どう喜べば良いか分からなかった」。そう苦笑いした湯澤の一撃で、均衡を崩した流経大だが、27分には空中戦を競り合ったこぼれ球をFW樋口雄太に拾われ、スルーパスからFW森川和命にシュートを打たれることに。29分にも、CKからカウンターを受け、森川のパスからMF福本将也に危ない場面を作られたが、辛うじてCKに逃げ込んだ。ピンチを凌いだ34分には、左サイドMF西谷和希のパスから、FW渡辺直輝が追加点をマークし、前半を終えた。

 「前半の戦いぶりを見て、ベンチでは3点目を奪えば、どう選手を交代させようか考えていた」(中野雄二監督)という流経大だが、後半は苦戦を強いられる展開となった。試合の潮目が変わったのは後半14分。中盤の潰し屋として機能していたMF古波津辰希が足をつり、ベンチに下がることに。

 続く、後半18分にも湯澤が足首を痛めて、交代を余儀なくされ、「予定外の交代だったので、バタバタしてしまった」(中野監督)。リズムを崩した流経大は、「自分たちが思ったところでボールが奪えず、相手ペースの時間が長かった」(田上)と鹿屋体育大の攻撃を受け、13分にはFW森川和命にクロスバーを直撃するシュートを打たれた。

 25分にはDF下坂晃城に右サイドを崩されると、ゴール前でパスを受けたFW冷岡幸輝を倒してPKを献上。これをMF松田天馬に決められ、1点差に詰め寄られた。「残り15分はいつ失点をしても、おかしくなかった」と指揮官が振り返ったように、以降は防戦となったが、球際の激しい守備で2失点目を封じて、試合終了を迎えた。

「苦しかったけど、まずは初戦を突破できて、良かった。一戦一戦こういうゲームになっても勝ち上がっていくしかない」。中野監督がそう胸を撫でおろしたように、内容的には満足できないものの、負けは終戦を意味するトーナメントで粘り強く生き残れた事は、何よりの収穫。

「うちの選手たちは幼稚なので、後半も点を獲って、3、4点差で次を迎えるよりかは、こういうゲームの方が、気が引き締まって良かったかもしれない。この後、ロッカールームで怒れますから」(同監督)と前向きに捉えた。「3連覇を期待されているのは感じるけど、自分たちはまだ何も成し遂げていない。今大会は、今年の目標に掲げる3冠に向けて、大事な一つ目のタイトル」(田上)を奪えるか、準々決勝の阪南大戦からも目が離せない。

(取材・文 森田将義)

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