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[ミズノカップU-18IN熊本]九州国際大付が決勝で名東撃破!10周年のミズノカップIN熊本で初優勝!

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[8.16 ミズノカップU-18IN熊本決勝 九州国際大付高 1-0 名東高 熊本県民総合運動公園陸上競技場]
 
 10周年を迎えたミズノカップU-18 IN熊本2015は大会最終日の16日、順位決定戦を行い、九州国際大付高(福岡)と名東高(愛知)が激突した決勝は九国大付が1-0で勝利。初優勝を飾った。

 九国大付はこの夏、山口で開催されたJTSカップで準優勝。ミズノカップ直前に参加したNISSHOカップでは準決勝でPK戦の末に敗れていた。杉山公一監督は「(公式戦ではない)小さい大会でも優勝させたいと思っていた。(直後にプリンスリーグ九州が行われるため)ここをピークにしたいと思っていなかったけれど。1位グループに入ったし、ちょうどいいかなと思って。16チームで一番を取るのは難しいことですよ」と語り、主将のMF水城太賀も「選手権と同じ一発勝負で優勝を目標にやっていた。去年、一昨年とミズノカップ準優勝で小さい大会でも優勝がなかった。優勝は自信になったと思います」と胸を張った。選手権予選は2年連続で福岡準V。勝ち抜いて大会を終える経験をしたかった九国大付がミズノカップ制覇で選手権獲りへの弾みをつけた。

 九国大付は立ち上がりから前線のFW田頭英昴をターゲットにパワープレーのような攻撃を敢行。杉山監督は「名東は粘り強いし、本来ウチがやりたいことやってきた。(リードされるとより守りに入られてしまうため)最初から残り10分のパワープレーみたいに行こうと思った」と前線に次々とロングボールを放り込んでそのこぼれ球を拾ってゴールへなだれ込もうとする。8分にMF田代聖裕、9分にも田頭が左足シュートでゴールを襲うなど連続攻撃で名東をゴール前にくぎ付けにするが、香川西高や日章学園高を下して勝ち上がってきた名東も粘り強い。立ち上がりの猛攻を切り抜けると、15分にはFW堀壮志が右サイドからオーバーヘッドでのラストパス。これが中央のMF今枝和輝へ届き、決定機を迎える。

 九国大付は23分にも左クロスを中央のFW溝上暉浩がダイレクトで落として田頭が右足シュートを打ち込むなど押し込むが、決定打が出ない。逆に名東はトップ下のMF渡辺駿一がよくボールを収めて堀との連係で一刺しするチャンスをうかがっていた。九国大付は前半33分に10番MF田中裕康を早くも投入してサイド攻撃へシフトチェンジ。だが、名東は右SB榊原光が「(九国大付は)サイドとセットプレーが強いと聞いていた。(相手のサイド攻撃に対しては)引かずにSBは速く寄せて止める。縦に行かせないで下げるという守備をした」というようにサイドでの突破をさせず、アーリークロスやセットプレーからゴール前へボールを放り込まれるシーンがあってもCB井上大誠やCB高埜健太郎、1年生GK阿部綾馬が根気強く対応して得点を許さない。九国大付は後半10分に左クロスをファーサイドの田頭が頭で合わせるが、クロスバーを直撃。後半数を増やしたセットプレーも得点に繋がらなかった。

 それでも息つく暇なく攻め続けて名東に攻め返させなかった九国大付は後半35分に待望の先制点を奪う。左CK後の混戦から「最後なので思い切り行こうと思った」というCB渋田惇史が個で右中間を突破。そのクロスに田頭とFW安東慎太朗が飛び込み、最後は安東がゴールへ押し込んだ。名東は2点目の失点を回避しながら、同点ゴールを目指すと39分、左ロングスローからゴール前で混戦を迎えるが、九国大付の堅い守備の前にシュートを打ち切ることができない。1点を守りぬいた九国大付が優勝した。

 九国大付は前半途中に交代出場した10番田中が勝負どころを前にベンチへ。指揮官は主力SB瓦林陸に対してもハーフタイムに厳しい言葉を投げかけていた。杉山監督は「決勝だろうが、レギュラーだろうが、3年だろうが、戦わないヤツは外すというメッセージ。切り札として使っているのに勘違いしていてはいけない」という厳しいメッセージを込めた采配でチームを引き締めた。ミズノカップ初優勝を果たしたが、同時に選手たちにとってはより意識を高める決勝となっている。安東は「自分たちは粘り強い守備が得意なチームなので戦える選手じゃないといけない」と語り、水城は「安東のように交代で結果を残してくれている選手もいる。これから選手権に向かう上でチームには競争が必要」と全員でよりチーム力を高めて行くことを誓った。

 今まで以上に戦うチームとして秋、冬のシーズンに臨む九国大付。最大の目標となる選手権予選へ向けて安東は「2年連続でヒガシ(東福岡)に決勝で負けているので、今年こそヒガシ破って全国にいきたいです」と誓い、水城は「(大会序盤は)九国を倒しに死にもの狂いでくるチームが多い。そこを跳ね返して、福岡は準決勝、決勝とレベルが高いので一戦一戦大切に戦っていきたい」。ミズノカップを制した九国大付がその経験を活かして夏の全国王者・東福岡高などが待ち構える選手権予選突破を果たす。 

(取材・文 吉田太郎)
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