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[UAチャレンジカップ]“優勝決定戦”制した浦和東が逆転V!!

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[8.19 UAチャレンジカップ1位リーグ最終節 浦和東高 2-0 湘南高 J-GREEN堺]

 全国の強豪16校が参加した「アンダーアーマーチャレンジカップ2015 SUMMER」は19日午後、順位リーグ最終節を行い、1位リーグでは勝ち点6で首位の湘南高(神奈川)と同4で2位の浦和東高(埼玉)が激突。浦和東が2-0で勝ち、初優勝を飾った。

 浦和東の鈴木豊監督は「22人全員で勝ち取った優勝」と語り、今回大阪遠征に参加した22選手全員で勝ち取った優勝を喜んだ。この日午前に行われた湯本高(福島)戦では主にサブ組だった選手たちで臨んで2-0で勝利。指揮官も「あそこで繋いでくれたから優勝がある」という大きな白星を掴んだチームは、主力組で戦った湘南との“優勝決定戦”でも快勝を収めた。

 湘南は前日にエースFW高田健史が負傷してこの日は欠場。それでもこの日午前の阪南大高戦を2-1で制し、1位リーグ2連勝で優勝に王手をかけていた。浦和東戦はCB砂流勇志主将も欠場する中での戦いとなったが、選手層向上を目指すチームは交代枠をフルに使って、経験値も積みながら20人でこの試合を戦い抜く。

 浦和東は前半6分、今大会好調の左SB岡田慎が左サイドを破ってシュート。バイタルエリアでボールを受けるFW境田悠史や注目MF望月海渡を起点とした攻撃からMF中荒井利公、SB庄司寛大の右サイド、岡田とMF松本巧の左サイドへボールを動かして先制点を狙っていく。
  
 対する湘南も左サイドから崩してMF金井大樹が放ったシュートやFW今岡知晃のドリブル突破などで対抗するが、浦和東は鈴木監督が「今までにない素晴らしい形」と評したゴールで先制する。22分、ゴール正面PAやや外側の位置でボールを持った望月が得意の左足で左サイドへ展開。これを受けた岡田がGKとDFラインの間へラストパスを入れると、ファーサイドで詰めたFW菅貴彰がスライディングシュートでゴールへ押し込んだ。さらに浦和東は31分にもセットプレーの流れからゴール前へ右クロスが入ると、CB高橋隼人とCB青木兵吾が反応。2人がかりで押し込むような形で湘南ゴールを破った。

 後半、大きくメンバーを入れ替えた湘南はフレッシュな選手たちがベンチからの声援を背に奮闘。ミスが出てなかなか攻め切ることはできなかったが、前への姿勢を見せ続ける。一方の浦和東はMF近藤拓海らがいい形でインターセプトして攻撃に繋げると、15分には左サイドを破った境田の折り返しを菅が決定的な左足シュート。縦への仕掛けを繰り返す松本らがサイドから相手にプレッシャーをかけた。必死に食い下がる湘南も19分にコンビネーションからMF吉森旬佑が右足シュートを放つなど意地を見せるが、GK遠藤季久や高橋中心に堅い守りを見せる浦和東ゴールを脅かすことはできず、浦和東が逆転でタイトルを獲得した。

 今大会のチームMVPに選出された浦和東・境田は「最後勝たないと優勝ないとなっていた。最初勢いよく行って、2点を取ったあとDFが守ってくれて、ボール回しながら、自分たちのプレーができて優勝できたと思います」。浦和東はこれまでボールを奪ったあとに慌てて攻めてしまう部分があったというが、今大会はひとつ横にボールを繋ぎ、相手のプレッシャーがあれば、落ち着いてもうひとつ先の選手を活用するような攻撃も見せていた。望月の左足を活かした大きな展開や、ショートパスやドリブル突破からの崩しなど多彩な攻撃と我慢強い守りで優勝。鈴木監督は「欲を言えばいろいろなサッカーができてきたので、その精度を上げて選手権に臨めればいい」と語った。

 革新的なサッカーイベントを通じ、ユース期において必要とされる様々な情報、知識を提供することで、世界に通用するサッカー選手を育成し、サッカー界繁栄の一助とすることを開催理念とする「アンダーアーマーチャレンジカップ2015 SUMMER」。実戦での激しい戦いに加え、栄養講習会や元日本代表MF金田喜稔氏のサッカークリニックなど、出場16校の選手たちは日常を見つめ直し、サッカーを学ぶこともできた。1位リーグ進出、優勝などそれぞれの目標達成へ真剣勝負が繰り広げられた3日間の大会は、浦和東が頂点に立ち、幕を閉じた。

(取材・文 吉田太郎)
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