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[UAチャレンジカップ]「トータルフットボール」で古豪復活へ、静岡の伝統校・浜名が大体大浪商破る

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[8.19 UAチャレンジカップ2位リーグ 大体大浪商高 0-2 浜名高 J-GREEN堺]

「アンダーアーマーチャレンジカップ2015 SUMMER」は大会最終日の19日、順位決定リーグを行った。2位リーグの大体大浪商高(大阪)と浜名高(静岡)との一戦は2-0で浜名が勝った。

 全国高校総体優勝2回、全国高校選手権準優勝1回の伝統を持つ浜名が「新しい浜名のトータルフットボール」(内藤監督)で復活への階段を上ろうとしている。就任2年目の内藤康貴監督は「とにかく自分たちがどういうサッカーをやるかというのを去年一年間でやり続けて、去年は負け続けてもそれをやり続けて。それをやることで結果が出た試合もあるし、自分たちの単純なミスでやられることもあったんですけど、でも全て自分たちでボールを持ってやろうとすれば、自分たち次第ということも分かってきたので、そこらへんを突き詰めて行けば」という。
 
 堅守からのカウンタースタイルで静岡学園高や清水桜が丘高、藤枝東高といった強豪に対抗してきた浜名だが、ボールを保持して主導権を握り、パスや個の突破を交えて相手の守りに穴を開ける多彩な攻撃へシフトチェンジ。教員の内地留学制度を活用して大学サッカーの名門・筑波大、そして風間八宏監督率いる川崎Fのトレーニングから、パスを受ける時に相手を「外す」ノウハウを学んできた指揮官の下、「ポゼッションでいなしたりすると楽しいですね」(FW鈴木将斗)という「やって楽しい」「見て楽しい」サッカーで、大前提として勝つことを目指す。その浜名は大体大浪商戦でもポテンシャルの高さを示すサッカーで白星を勝ち取った。

 浜名は前半30分にゴール前の混戦から1年生MF染葉達樹が先制ゴール。さらに32分にはMF前野隼弥のスルーパスで抜け出した鈴木がGKをかわして2点目のゴールを流し込んだ。大体大浪商もMF烏野直哉やFW坂本拓磨を軸としたスピード感あるサッカーからMF嶋本颯やMF松浪宏樹がゴールへ迫るなど対抗していたが、前野や染葉、2列目のMF大澤知祐ら技術の高い中盤や、ピッチサイドで分析していた元日本代表MF金田喜稔氏が絶賛した能力で決定機に絡む鈴木ら下級生やMF佐藤人生ら3年生も良く力を発揮していた浜名が2-0で勝利した。

 浜名は今回、部員86名全員で大阪遠征を実施。内藤監督は「この2日間は少しミックスしながら(選手権へ向けた)最後のメンバー選考という位置づけで来ている」と説明する。サブ組も関西各地でトレーニングマッチを行い、アンダーアーマーチャレンジカップメンバーも2日目、3日目とメンバーを入れ替えることで、チャンスを与えられた選手たちが顔つきを変えてAチームに参加し、アピールした。現2年生は静岡の1年生大会を制した実力者たち。優勝を目指して大阪入りしただけに、6位という最終結果には全く満足していない。まだまだ決定力を欠き、守備、切り替えの部分など課題も出たが、意欲的に「新しい浜名のトータルフットボール」にチャレンジして印象的なサッカーを披露した古豪がこの秋、復活を懸けて選手権予選に臨む。

(取材・文 吉田太郎)
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