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[T1リーグ]選手権予選で初戦から強豪対決に臨む成立学園、終盤失速して悔しい敗戦

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[8.30 T1リーグ第14節 成立学園高 0-2 國學院久我山高 成立学園鷲宮G]

 成立学園高は29日に決まった第94回全国高校選手権東京都Bブロック予選初戦で13年度全国8強の修徳高と対戦することが決まった。

 今年、成立学園は総体1次予選で帝京高との強豪対決にPK戦で屈し、初戦敗退。結果、選手権で厳しい組み合わせに入ることになった。だが、元日本代表MFの宮内聡監督が「全国レベルのチームとやってもある程度きちっとできる」というように、自力はある。この日も國學院久我山高に対して多彩な攻めから決定機をつくり出した。中盤の攻防戦で上回り、押し込んでいた時間帯もある。だが指揮官が「いいイメージでサッカーをやるイメージはあるけれども、きょうも最後あれだけフラフラになっちゃって。ああいうゲームが多いんです」と苦笑いを浮かべたように、リズムのいい時間帯に決めきることができなかった成立学園は終盤の2失点によって0-2で敗れた。

 昨年のエースで横浜FCへ進んだMF上田悠起のような飛びぬけた選手はいないものの、全員でやるべきことを共有しながら、長短のパスでボールを動かして相手の守りが薄いところを攻撃。オーストラリア帰省中に年代別のオーストラリア代表合宿に参加したという注目SBオトゥール・コナーや右SB矢田部竜汰が積極的に攻撃に絡み、俊足エースFW長島滉大やMF鈴木龍之介の決定的なシュートや、MF大野泰成の左足ミドルがゴールを襲うシーンもあった。だが、決めきれずにチームは失速。元日本女子代表GKの山郷のぞみGKコーチもその安定感とメンタル面を評価しているというGK吉澤凌の好守などで踏ん張っていたDF陣も援護ないまま迎えた終盤に2点を奪われた。

 チームの主軸であるMF河口海斗や長島、吉澤ら6人が系列の成立ゼブラFC出身者。一貫指導で成長してきている選手もいるだけに、選手権では「いい子だけれど、まだひとつになりきれない」(宮内監督)チームがひとつになって、それぞれが犠牲心をもって戦い抜くことができるか。宮内監督も「抜け出せるか、抜け出せないかというところまで来ていると思う」というほどの力はついてきているだけに、より一丸となって、修徳との強豪対決から始まるタフな戦いを乗り越える。

(取材・文 吉田太郎)

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