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日本vsカンボジア 試合前日のハリルホジッチ監督会見要旨

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 日本代表は2日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、3日のW杯アジア2次予選・カンボジア戦に向けて最終調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

バヒド・ハリルホジッチ監督
「選択肢はあまりない。合宿の最初の一言目だが、選手たちには『勝利しかない』と話した。相手は勝利を与えてくれないので、我々が倒しにいかないといけない。確固たる決意を持って勝ちにいく。我々自身にも(勝利する)義務があるし、日本のサポーターすべてのみなさんのためにも義務がある。シンガポール戦はアクシデントだったと思わせないといけない」

―今回も準備期間はあまりなかったが、明日の試合で得点を取る手応えは?
「いつもみなさんに話しているが、確かに時間がない。それに対して文句は言えるが、それには何の意味もない。それとともに戦わないといけない。そうはいっても、仕事はたくさんしてきた。昨日は戦術のトレーニングしかしていない。前へ行くためのいろいろなソリューションを彼らに提示した。少しアグレッシブさも要求した。我々が16m(ペナルティーエリア)の中に入っていこうという話もした。時々はPKを誘えという話もした。

 もう一度言うが、シンガポール戦のプレーに関してはそこまで悪くなかったと思っている。最後の決定的なところで少し失敗してしまったが、そのために今回、ゴール前のトレーニングをたくさんした。最後のシュートのところで確固たる決意を持って、集中してシュートを打ってくれという話をした。我々自身のやり返し(リベンジ)だという話をした。ただ、簡単な試合はない。3、4日前に行われたカンボジア対ラオスの試合へスタッフが映像を撮りに行った。映像を見て、いろんな準備をしている。選手が責任を持ってやる段階に来ている。勝利を探しに行くということだ」

―欧州組は帰国して時間がないが?
「海外から帰ってきた選手に関しては、時差ボケ、移動によってまだ疲労がある状況だ。その時差ボケを少し解消するための道具を試している。今日の夜、彼らが本当に疲労しているのか、行けるのかを聞いて、それから決めようと思っている。選手のことは信頼しているので、彼らから責任を持った返答があれば、決断できると思っている。今日の朝もミーティングをして試合に関して説明したが、選手の目がしっかり応えてくれた。全員からプレーしたいという意思が伝わってきた。

 今日の夜は個人のミーティングとグループのミーティングをしたいと思っている。そこでも彼らにどのような状態なのか、プレーできるか質問したいと思っている。だれも疲れていないことを期待している。確固たる決意、アグレッシブさを期待している。特に攻撃の方法でだ。昨日は6つか7つのソリューションを提示して、ゴール前に行く練習をした。シンガポール戦に関しても美しいプレーがあったと思う。最後の仕留めるところで少し足りなかったので、それを改善したい。合宿でいつもやっているが、練習の最後にポジション別で自分でゴールを決めて、自信を持って終わるということをやっている。常に彼らの後ろに付いてサポートして、勇気づけるということも引き続きやっていきたい。私も元ゴールゲッターだったので、どのような言葉が勇気づけられるか分かっている。ゴールをするためのクオリティーがあることを忘れてもらっては困るし、そういうことを思い出してやってほしい」

―本田はクラブでトップ下でプレーしているが、代表では右サイドで使っている。香川と本田が共存するベストな方法は?
「本田と香川は昨日、一緒にプレーしたが、彼ら自身も疑問なくできると思っている。彼ら2人が欧州でも強豪と言われるクラブでやっているし、2人ともかなり良いパフォーマンスで練習してくれた。2人とも個人個人で話をした。2人は良いプレイヤーだし、攻撃面でリーダーとなってくれることを期待している。自分のポジションを見極め、FWの後ろでしっかりプレーできる選手。2人が同時に同じポジションでプレーすることはできないが、お互いにポジションチェンジをしたり、そういうことは可能だ。明日の試合も彼らは自分の役割を把握しているし、かなりモチベーションは高いので、しっかりプレーしてくれると思う」

―明日の試合は1-0でも満足できるか? たくさんの点数を取るべきか?
「勝つことを要求している。10点取れれば問題ないが、選手にはそんなにプレッシャーをかけたくない。勝利すれば自信が付くし、喜びも沸く。私はこの期間、選手としてもあまり経験したことがないようなことを経験している。シンガポール戦以降、2か月経っているが、同じような質問をいろんな人がしてきた。シンガポール戦でなぜ引き分けたか今までずっと考えてきた。選手はもっともっとやりたいと思っているし、私はさらにやりたいと思っている。そのためにも選手には疑問なしで勝ちに行こうと話した。期待しているのはスペクタクルな試合、スペクタクルなゴールだ。なぜかというと、今年最後の日本国内の試合。前回、観客のみなさんが非常に良い雰囲気をつくってくれた。そういうこともあるので、選手には『本当に勝つぞと。すべての意思とすべてのやる気をゴールに傾けてくれ』という話をした。美しい勝利で今年の日本最後の試合を終わろうと話した」

―試合中の日本人選手の判断力、柔軟性についてどう思うか?
「先ほどの6つか7つのソリューションに関してだが、選手でも監督でもなく、試合の状況が決める。シンガポール戦のいろんなアクションを見て、突破するためにはこういうものもあったなという話で彼らにアイデアを付け加えた。例えば中盤でミドルシュートをほとんど打ってない。ダイレクトプレーをしよう。それがダイアゴナルなのか、背後に直接なのか。そういったものをシンガポール戦では使えなかった。そして、いくつかのソリューションを提示した。前へのビルドアップというところでは、相手もいるので、それぞれ違うアクションが必要になってくる。個人なのか、組織なのかが入ってくる。少し彼らにそういったことを提案した。例えばFK、もしくはPKがなぜないのかという話もした。

 明日も1点目はそう簡単に入らないと思っている。もし1点が早く入れば、おそらく試合の考え方は全然違うものになると思う。攻撃に関しては日本に着いてからいろんな要求をしているが、とにかくプレーを速く、ワンタッチ、ボールを間に運んでいけ、3人目4人目を使っていけ、逆サイドを突きなさい。16mに入っていきなさい。最後は冷静にゴールを決める。そういうことを要求している。私たちの前のプレーはまだまだ理想とは遠いが、彼らは素晴らしいプレーをしてくれて、最後のフィニッシュだけが足りない。最後の決意、冷静さ。私にも選手の経験があるので、そういうことも付け加えて話している。特に自信は失うなという話をしている。メッシやロナウドのように全員突破して得点を取ることもあるし、それに関しても反対しないが、何人かの選手には少し修正すればもっと伸びるという話をした。特に第1ライン、第2ラインの選手。特に中盤の選手にはリスクを持ってミドルシュートを打っていこうという話をした」

(取材・文 西山紘平)

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