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F東京の弱点を突いた鹿島FW赤崎「ニアに弱いという情報があった」

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[9.2 ナビスコ杯準々決勝第1戦 F東京2-2鹿島 味スタ]

 狙いのハマった同点ゴールだった。1点ビハインドの前半43分、鹿島アントラーズはCKの流れの中からFW赤崎秀平がゴールネットを揺らした。左サイドをDF山本脩斗がドリブルで突破して深い位置まで侵入する。そこから低く、早いボールをゴール前に送ると密集の中でゴールの嗅覚を示した赤崎がゴールネットを揺らした。その後、鹿島は追加点を挙げて一度は逆転するものの、FW中島翔哉に同点ゴールを許して2-2で引き分けた。

 1ゴールという結果を残した赤崎だが、満足はしていない。「勝っている状態で3点目を取るチャンスがあったので、そっちの方が(印象に強い)。そこをしっかり決めていれば終わっていた試合なのかなと思います。ここ(アウェー)で勝てれば本当に大きな勝利になっていたし、全員そのつもりでやっていました」と、悔しさを前面に出した。

 同点ゴールについては、チームの分析がうまくいっていたことを明かす。「相手がクロスから失点が多いことは、データで試合前から言われていました。なおかつニアに弱いという情報があったので、そこは逃さずに入りました」。

 切れ味鋭いドリブル突破からアシストをした山本も「クロスからの得点が多いのが(FC東京の)特徴でもありますし、実際にそれで失点してしまいました。でも、逆に失点も多いというのは情報としてあったので、そこはチームとして意識していました」と、同調する。そして、アシストのシーンについては「相手が来るのは分かったので、うまく股を通せました。最後あそこしかコースがなかったので、見えてはいなかったのですが『誰か来てほしいな』と思って蹴ったら、秀平がうまく入って来てくれてよかったです」と、分析を結果につなげられたゴールを振り返った。

 このゴールを含めて、アウェーで2ゴールを挙げた鹿島。第2戦に向けては、アドバンテージを得たと考えられる。それでも赤崎は、「引き分けで満足している選手は、うちにはいないと思う。全員悔しい想いを持っている。次、ホームでしっかり勝てるように、少ない時間ですけど、しっかり準備をしたい」と、あくまで勝利にこだわる姿勢を見せた。

 山本はもう少し慎重だが、やはり勝利にこだわる姿勢を見せた。「アウェーで2点取れたのはプラスです。追いつかれましたが、そこはプラスに捉えていきたい。もちろん勝つことを前提に、勝利を狙いながら、最悪1-1、0-0でも準決勝には行けるので、勝つことを最優先に考えながら、そのときの展開に応じて戦いたい」と、中3日で迎える第2戦について語った。第2ステージ、リーグ戦でも7勝1分1敗と好調の鹿島は、ピッチ内外でチームの意思を統一して、2012年以来のナビスコ杯制覇を目指す。

(取材・文 河合拓)
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