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本田、6年前の“FK争い”を回想し「型破りな後輩」を待望

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 日本代表は5日、空路でイランのテヘランに入り、中立地での試合となる8日のW杯アジア2次予選・アフガニスタン戦に向け、テヘラン市内で練習を行った。練習後、報道陣の取材に応じたFW本田圭佑(ミラン)は「思ったより暑くなかった。それを確認できただけでも良かった」と、現地での初練習の感想を語った。

 現地時間午後5時半からの練習はランニングやボール回しなど軽めのメニュー。日中の気温は30度を超えるが、湿度は低く、カラッとした暑さだった。テヘランは平均標高が約1200mの高原都市。高地での試合となると、気圧の関係でミドルシュートやFKはブレやすく、予測しない軌道を描く。本田自身、「それは確認してみないと分からない」と、今後の練習の中で実際に感覚を確かめるつもりだ。

 本田の直接FKと言えば、2010年南アフリカW杯のグループリーグ最終戦・デンマーク戦で決めた無回転FKが鮮烈な印象を残したが、このときの舞台となったラステンバーグも標高約1500mの高地だった。「あんまり覚えてないですけど」と苦笑いした本田は「僕のFKは(FKの)名手に比べると、そこまでですから。決めるところを決めてきて、ここまで来ている。大事なときにプレッシャーに打ち勝って結果を残していければ。ご存知のとおり、安定した精度は残せていないので」と、冗談めかしながら自虐的に語った。

 実際、日本代表では2013年8月14日のウルグアイ戦を最後の直接FKを決めていない。ハリルホジッチ監督はゴール前でFKを獲得する回数自体が少ないことを日本の課題に挙げているが、本田も「決められるチャンスがあれば決められるように、しっかり準備したい」と虎視眈々とチャンスを狙っている。

 ちょうど6年前の2009年9月5日。オランダ遠征中だった日本代表は敵地でオランダと国際親善試合を行った。当時23歳の本田は後半開始から途中出場。すると後半18分に獲得したFKの場面で、当時の日本代表の司令塔であり、絶対的なプレースキッカーだったMF中村俊輔に対してキッカーを直訴したが、俊輔が譲らないというシーンがあった。

 FKをめぐる2人のレフティーの争いは当時、大きな話題を呼んだが、このことについて報道陣から聞かれた本田は「オランダですか? 何年経つんですか?」と逆質問。「6年? 時間が経つのは早いですね。いつも言っていますけど、時間が過ぎる早さには危機感というか、無駄にできないなと思いますね。サッカー選手としてだけでなく、人としても」と、しみじみとした表情で語った。

 6年という月日を経て29歳となった本田は、あらためて中村俊輔という偉大なキッカーについて本音を語った。「後にも先にも自分が俊さんよりFKが上手いと思ったことはない。あのときは蹴りたいと思って主張した。オランダ(当時はVVVでプレー)では、普段FKを練習していない選手が(試合になると)5人ぐらいポイントに立つんですよ」。そう懐かしそうに振り返り、話は今の日本代表メンバーへと波及した。

「ああいう選手が出てこいとは言わないけど、今はいろんな環境でプレーしている選手が少ない。武藤にしても、しっかり整備されたチームに行っている。当時のオランダでは(練習中に)殴り合いの喧嘩をして途中で帰らされるやつもいましたからね。(オランダ)2部も経験したし、そういう面白い場所で面白い経験をしている選手がいてもいいんじゃないかな」。もっと自己主張の強い個性的な選手が出てきてもいいのではないか。本田の持論は続く。

「今は自分も若くないし、若い選手のために言うと、長い目で応援してあげてほしい。武藤にしても宇佐美にしても(柴崎)岳にしても、長い目で見守ってほしい」。先輩としての“親心”をのぞかせつつ、「今の若い選手は自分のことを冷静に見れている。逆に型破りなプレー、発言、生き方をする選手がいてもいいと思う。今はまとまった選手が多い」と指摘。昔の自分と比べて、どこか物足りなさも感じているのだろうか。最後には「型破りな後輩より、礼儀正しい後輩のほうが好きですけどね」と言って報道陣を笑わせていた。

(取材・文 西山紘平)

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