[9.5 Rookie League A Group第9節 佐野日大高 2-0 市立船橋高 時之栖裾野G]

　関東・静岡の強豪校が優勝を争うU-16大会、「2015 Rookie League」A Groupは5日、最終節を行い、未勝利で最下位の佐野日大高(栃木)が3位の市立船橋高(千葉)に2-0で勝利。最終節で初勝利を挙げた佐野日大は8位へ浮上し、武南高(埼玉)と戦う入れ替え戦に進出した。

　負ければ降格の決まる一戦で佐野日大が執念で白星を勝ち取った。前節、優勝した流通経済大柏高戦を0-2で落としたものの、優勝校相手にも「やれる」という手応えがあったというチームは市立船橋のMF齋藤凱也やMF今村卓也にボールを動かされて攻められる展開の中でも我慢強い戦いを見せる。カットインからシュートへ持ち込むMF満城由樹の左足シュートや抜け出しから決定的なシュートを放たれたが、GK大滝昌広の好守などで阻止。すると、斉藤芳幸部長が「両サイドで代えた2人が良くハマった」と振り返ったように、選手交代で入れ替えたサイドからの攻撃が得点に結びつく。

　前半33分にMF篠原博樹を投入した佐野日大は39分、サイドからの折り返しをFW高橋真が決めて先制点を奪う。さらに後半開始からMF源田拓海を投入すると、これも機能。市立船橋に主導権を握られながらもCB押山浩太朗とCB猿橋佳永、MF福澤力らがゴール前で耐える佐野日大は16分にも相手オウンゴールで加点。斉藤部長が讃えたGK大滝の活躍もあって自動降格を免れた。

　市立船橋は開幕戦で活躍したMF吉田歩未はU-16日本代表へ駆け上がり、左SB杉山弾斗はトップチームのレギュラーとして、準優勝した全国高校総体全6試合で先発出場した。彼らが不在だった最終戦で敗れて4位に終わったものの、MF加藤真太郎が「チームのコンセプトである運動量、切り替え、球際を意識して戦えたことが良かったと思います。プレーでもできる面とできない面もはっきり分かったし、それ以外にも横のつながりが深まったと思います」と振り返った「Rookie League」の経験を糧に吉田や杉山に続くことを目指して行く。

　一方、佐野日大はこの市立船橋戦が初めて先制した試合となり、初の無失点で終えて初勝利を飾った。大会の集大成となる試合での白星。大滝は「チームとしては最初は個人個人だった。でも最後になるにつれてチームになって団結とかできたと思います」。それぞれがこの勝利を自信に次のステージでの活躍を目指す。　

(取材・文　吉田太郎)

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