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[MOM1487]京都橘DF堀尾橘平(3年)_「一か八か」の判断で決めた決勝FK

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.5 プレミアリーグWEST第13節 京都橘高 2-1 C大阪U-18 西京極]

 ボールをセットして顔を上げると、そこには僅かなシュートコースが見えた。
「あそこは狙えるな。あ、でも相手はわざと空けているのかも…」

 残り時間が5分を切った中で獲得した、PA内の中央右寄りからの間接FK。キッカーを任された京都橘高DF堀尾橘平の頭には、いくつかの選択肢が浮かんでいた。初めに考えたのは、壁の外側にボール一個分だけ空いているコースを狙うこと。しかし、相手GKはわざとコースを作っていて、そこにシュートが来ると予測しているのかもしれない。そう考えた堀尾は、自分の視線や味方への指示で外側を狙うという雰囲気を作り出しておいて、別の選択肢を実行する。

「壁が割れるかな、と思ったんです。一か八かでした」

 確信はなかったが、そう信じて右足を振りぬいたシュートは相手選手の間を抜けてゴールネットに突き刺さった。プレミアリーグでの初得点は、首位チームを破る決勝点という値千金のものだった。

 3年生となった今季からトップチームでの出場機会を与えられるように堀尾だが、ここまではチャンスをものにできずに定位置をつかめないでいた。夏のリーグ中断前で最後に先発した第7節・京都U-18との試合では大量5失点を奪われてしまい、その後はベンチへ。Bチームの試合に回ることも多かった。変化の兆しが見えたのは夏の遠征だ。これまではどこか淡白な印象を抱かせていたが、競り合いやボール保持者への対応がタイトになってきた。元々、ビルドアップには上手さのある選手。そこに守備面が向上してきたのだ。

 夏に伸びた選手としては1年生に目がいきがちだが、米澤一成監督は堀尾の名前も挙げている。それはプレー以外でも変化が見られるからだ。米澤監督は常々、3年生に対してプレーはもちろん、精神面やピッチ内外での立ち振る舞いでも最終学年としてあるべき姿を求めてきた。「ようやく、そのステージに上がってきてくれた。もっとやれることはある」と成長を認めると同時に、更なる向上を期待している。彼がCBの一角を務めることでDF小川礼太を右SBで起用することも可能となり、チームとして選択肢を持つことができるのだ。

 この日はFW岩崎悠人と小川の二人を欠いた中での試合だったが、堀尾は「だからこそ、燃えました。『やったらなあかん!』と思ったし、二人がいない中でも勝ちたいと思っていた。勝てたのは大きいし、選手権に向けても士気があがる」と喜びを隠さなかった。新人戦はベスト8、高校総体予選はベスト4で敗退しており、最後の選手権に掛ける気持ちは強い。いい流れで高校選手権京都大会に挑むためにも、名前に“橘”の名前を持つ男は中断までの2試合を全力で戦い抜く覚悟だ。

(取材・文 雨堤俊祐)
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