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[プレミアリーグWEST]「選手権に向けて、良いモチベーションになる」。東福岡が夏の雪辱狙った履正社に3発快勝

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[9.12 高円宮杯プレミアリーグWEST第14節 履正社高 1-3 東福岡高 履正社茨木G]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグWESTは12日に第14節1日目を行い、履正社高(大阪)と全国高校総体王者の東福岡高(福岡)が対戦。東福岡が後半に3ゴールを奪い、3-1で勝利した。

 東福岡の勝利で終わった8月の全国総体準々決勝では、序盤から白熱した攻防が繰り広げられたが、この日は「お互いにフワフワしていた」(履正社MF林大地)と、序盤は互いにミスが繋ぎ、思ったようにボールが運べず。相手背後へのパスに偏りが見られた履正社が早い時間帯に従来の3トップから2トップに変えて修正を施したのに対し、東福岡は散発的ながらも縦への突破力に秀でたMF橋本和征、MF三宅海斗の両翼に展開することで、打開を図った。

 だが、「ヒガシのサッカーが研究されていた。サイドにボールが入ってもSBとSHの2枚で縦を切られていたので、縦に行けなかった」と三宅が振り返ったように、チャンスらしいチャンスは前半13分に三宅の右クロスからゴール前のFW餅山大輝がヘディング弾を見舞った場面くらい。このシュートはGK正面に終わり、橋本がこぼれ球に反応したが、履正社DF大迫暁の懸命なブロックに阻止された。

 以降も互いに煮え切らない展開が続く中、試合が動いたのは37分。履正社は中盤で相手ボールを奪ったMF田中駿汰がPAにスルーパスを展開すると、フリーで反応したFW菅原大空がGKを浮き球でかわして、ゴールネットを揺らした。「ラッキーなゴール」(林)で先制し、前半を折り返した履正社だったが、「1点を獲ったことで、皆が落ち着いてしまい、2点目を獲りに行く意欲を失ってしまった」(FW菅原)。

 後半の流れは、ハーフタイムに志波芳則総監督から、「前からどんどん走れば何か起きるかもしれない」と喝を入れられた東福岡。運動量で履正社の中盤を上回ることで、高い位置でのボール奪取を可能にすると、パスで相手を左右揺さぶり、好機を作った。後半9分には左のDF小田逸稀から、右の三宅と展開し、中央のMF中村健人に渡る。中村がPA手前からワンタッチで蹴り込んだボールが、ゴール右上に突き刺さり、同点に追いつくと、12分には右サイドを破った三宅がGKを引き寄せ、ゴール前にパスを展開。「サイドが突破したら、逆サイドの選手が入るように普段から意識している」という橋本が中に侵入し、無人のゴールに押し込んだ。

「後半はまったく動けていなかった。ジャブのように相手の攻撃が効いていたのかもしれない」と平野直樹監督が口にしたように、2失点目以降も履正社の動きは冴えず。25分にも、右CKをゴール前で競り合ったこぼれた所を、三宅に詰められて、2点差とされてしまう。試合終盤には4人の交代選手を投入し、攻撃の立て直しを狙ったが、アディショナルタイムにMF町野修斗が迎えたチャンスも東福岡DFに阻まれ、タイムアップ。夏の再戦は、後半に3点を奪った東福岡に軍配が上がった。

 東福岡は、森重潤也監督が「優勝したから、どうこうというのは言いたくないけど、今まで出来ていたことが出来ていない場面がたくさんある。ただ、それ以上に出来ることもたくさんあって、整理をしないといけない時期なのかもしれない」と口にするように、全国総体を制してからも白星を重ねるものの、満足の行く試合は少ない。特に守備面は、第11節のガンバ大阪ユース戦から3試合で、9失点を献上している。「攻撃面は点も獲れていて悪くないけど、後半残りわずかになってからの失点が続いていた。集中力が切れたり、交代選手が出てから守備陣とのコミュニケーションが取れていなかったと思う」と三宅が話すように、うち6失点が残り20分を切ってからのモノ。35分ハーフで戦ったインターハイでの戦いから、45分ハーフで行うプレミアへの移行に苦しんでいるようにも見える。

 昨年は全国総体を制してから、チームの成長が停滞し、選手権は3回戦で敗れたが、橋本が「レベルの高いプレミアで、しっかり戦うことが出来れば、選手権でも戦える。もっといろんなことに挑戦して、課題を出していきたい」と口にしたように、今年は気の緩みが見られない。今は試行錯誤を続けながら、夏からの更なる成長を狙う状態だが、この日勝てたことは「高体連に勝つことが選手権に向けて、良いモチベーションになる」(三宅)。次節、対戦する京都橘高も冬の日本一を争うライバル校。2連勝を飾って、10月から始まる選手権予選に弾みをつけられるか期待したい。

[写真]後半9分、中村の同点ゴールを喜ぶ東福岡イレブン

(取材・文 森田将義)
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