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復帰した清武は「ハノーファーの希望」 地元紙が大きな期待を寄せる

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 ハノーファーが開幕から苦しんでいる。だが、ミヒャエル・フロンツェック監督や地元メディアは、MF清武弘嗣のパフォーマンスを手放しで褒めたたえ、チームを救ってくれると信じているようだ。

 12日に行われたブンデスリーガ第4節で、ハノーファーはドルトムントに2-4で敗れた。これでハノーファーは3連敗。獲得した勝ち点は、開幕戦のダルムシュタット戦の1ポイントのみだ。だが、復帰した清武のパフォーマンスがチームに希望を与えている。

 フロンツェック監督はドルトムント戦を振り返り、「2週間前のマインツ戦に比べると大きな改善があった」と語る。マインツ戦とはFW武藤嘉紀による2ゴールを許して、0-3と完敗したゲームだ。その後のインターナショナルウィークに清武が長期離脱から戻り、家庭の事情により数日間の一時帰国を強いられるも、ドルトムント戦に向けて順調に調整をしてきた。

 ドルトムント戦で「できる限りのことはピッチ上で示した」と語る同監督は、「特に先制点は素晴らしいプレーから生まれたものだった」と続けた。清武のスルーパスで右サイドを抜け出したMFレオン・アンドレアセンが折り返し、ゴール前のFWアルトゥル・ゾビエフが先制点を叩き込んだ場面だ。フロンツェック監督は、清武についてこのように語っている。

「我々にとって、清武がどれほどの価値を持つかが見られただろう。彼について特別に言及するべきだね。彼は3か月半ぶりのプレーだったんだ。80分に疲れ切った状態でピッチを退いた。彼が我々にとってどれほど重要か分かったはずだ」

 地元メディア『HAZ』の記者も、指揮官と同様、清武のパフォーマンスに不振脱出の可能性を見出している。14日に「ハノーファーの希望は清武」と題した記事を掲載し、チームにとっての重要性が述べられ、「大きな重圧に耐えられることをドルトムント戦で示した」と記している。先制点の場面については、このように書かれた。

「日本人選手が先制点につながるレオン・アンドレアセンに通したパスは、これまでの数週間のハノーファーでは見られなかった。ハノーファーのほかの選手には出せないものと言っても過言ではない。相手ディフェンスラインの裏を突いた、アンドレアセンの動きに完璧に合わせたスーパーなプレー。センセーショナルだ」

 さらに、清武が退いた終盤にハノーファーのセットプレーに怖さがなくなったことも指摘している。

「観衆は、彼が疲れ切った状態で交代となった後、彼のセットプレーの質を改めて思い知ったはずだ。その後、(セットプレーは)中途半端な高さに届き、相手にとって守りやすいボールになっていた」

 ただし、清武は「希望をもたらす者だが、魔術師ではない」とも記している。今季から背番号10をつける同選手のみに責任を背負わせるのではなく、「チーム全体が改善し、彼を助けなければいけない」と呼び掛けた。そうすることで、「彼もチームを彼のアイディアやアシストで助けてくれるだろう」とのことだ。

 ハノーファーは20日に行われる第5節で、同じくスタートダッシュに失敗したアウクスブルクとのアウェーゲームに臨む。清武はチームとともに初白星を手にすることができるのだろうか。

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