[9.20 第32節 横浜FC 2-1 金沢 ニッパツ]

　監督就任初戦で、チームの嫌な流れをきっちりと断ち切った。8連敗中と苦しい状況の横浜FCは、15日にミロシュ・ルス監督が辞任し、強化育成テクニカルダイレクターを務めていた中田仁司氏が新監督に就任した。就任からわずか5日後に行われた試合で、中田新監督が求めていたのは“シンプル”なサッカーだった。

　序盤から金沢ゴールを脅かす場面を作り出した横浜FC。ハーフウェーライン付近のFKでもゴール前にロングボールを送り込み、流れの中でも前線のFW大久保哲哉目掛けたハイボールを多用してシュートへとつなげていった。

「一週間で、これだけ苦しいチームをどう立て直すかと考えたとき、私が行ったのはとにかく“シンプル”にサッカーをしようということでした。攻撃のときはシンプルに攻めて、攻め切る。守備ではどこで誰が奪うのかを意思統一しよう。それを選手が出してくれました」

　前半34分にFW大久保哲哉の得点で先制したチームは、後半32分にFW黒津勝が追加点を奪いリードを2点差に広げた。その後、金沢に1点を返されたものの、そのまま逃げ切って2-1の勝利を収め、9試合ぶりの白星を獲得した。

　初陣でチームを勝利へと導いた指揮官は「連敗という苦しい中、勝利を取れたことはチーム一丸になれた成果かと思いますし、単純にうれしく思います」と胸をなで下ろしながらも、「我々は次に進みますので、次に向けてまた準備していきたい」と次戦以降への意気込みを示した。

(取材・文　折戸岳彦)

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