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移籍後リーグ初先発がかつてのホーム、大宮GK塩田「巡り合わせかな」

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[9.23 J2第33節 東京V0-1大宮 味スタ]

 慣れ親しんだスタジアムへ戻ってきた。2004年から2014年に渡って所属していたFC東京から今シーズンに大宮アルディージャへ完全移籍したGK塩田仁史。リーグ戦ではGK加藤順大の後塵を拝して、出番のない状況が続いていたが、この日の東京V戦で移籍後リーグ戦初先発を果たした。

 大宮の守護神として迎えた初のリーグ戦。その会場は奇しくも古巣・FC東京の本拠地でもある味の素スタジアムだった。GKは「これも巡り合わせかなと」と微笑むと、「初のリーグ戦出場で味スタで、相手はヴェルディということで高まる気持ちもありましたけど、うまく抑えて。チームはリーグで連敗しているので、そこを止めようという気持ちで、まずはゲームに集中しようと思いました」と試合前の心境を明かした。

 渋谷洋樹監督は塩田の起用について、「天皇杯でプレーして、2回戦でも起用するか迷ったが、(リーグの)水戸戦を見据えてノブ(加藤)を使った。その後は負けてしまっていて、(今回は)ノブが悪いというよりは負けてしまっている状況で、いつも(塩田が)いい準備をしてくれていたので、一度リーグ戦で使ってみようと彼を起用しました」と説明する。

 キックオフ直前にはアウェイへ駆けつけたサポーターから「塩田コール」が鳴り響いた。34歳の守護神は左胸のエンブレムを二度、強く叩き、手を挙げて応えた。そして迎えた試合では好セーブでチームを救う。

 後半7分には相手のロングボールがゴール前へ流れ、目前でDFを背負ったMF高木善朗にシュートを打たれた。しかし、素早い反応で右手で弾く。後半39分にはPA正面へ詰めていたMFブルーノ・コウチーニョのシュートを弾くと、こぼれを拾ったDF安西幸輝のシュートもキャッチした。度重なるピンチを防ぐと、守護神の奮闘に応えたチームは後半41分に待望の先制。1-0で逃げ切った。

 4戦7失点で4戦勝ちなし(1分3敗)だったチームだが、5戦ぶりの完封で5試合ぶりに白星を獲得した。しかし、酸いも甘いも知る守護神は浮き足立つことなく、「0に抑えたことと勝ち点3を取れたことがも重要だった。でも、ここからは厳しい1点差のゲームになる。とにかく無失点で、先に失点することがないように戦っていきたい」と冷静に誓った。

(取材・文 片岡涼)

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