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[MOM1499]大阪府MF西矢健人(大阪桐蔭高1年)_強豪校で台頭中の「賢い」ボランチ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.27 国体少年男子1回戦 大阪府 1-0 高知県 上富田スポーツセンター多目的グラウンド]

「賢いし、常に一番嫌なところを見ている。刺し込むイメージをもっている」。大阪桐蔭高、そして大阪府選抜でもMF西矢健人(大阪桐蔭高1年)を指導する永野悦次郎監督は、考えて常に相手にとって“嫌らしい”プレーを選択するこのボランチを評価する。この日はチームとしては積極性に欠け、ミスも散発するなど決して内容のいい試合ではなかったが、周囲に声をかけながらプレーし、バランスをとるべきところで実践し続けたMFの貢献度の大きさを口にしていた。

 西矢は「前半あんまりボールが回ってなかったんで、(中盤から)下りてちょっとリズム作ってから縦パス入れていったりしたんですけど、きょうはみんなの硬さもあって動きがあまり合っていなかったと思います。それでもサイドを使って相手を広げた分、サイド攻撃の部分で貢献できたかなと。相手を広げて縦パス入れたり。相手見てシンプルにサイドへ広げて、2対1をつくった」

 大阪の中盤を支えるMFはすでに夏の大阪王者・大阪桐蔭の主力のひとりになりつつある。8月の全国高校総体後に先発起用される試合が増え、プリンスリーグ関西では先発ボランチに。今大会直前の石川遠征では星稜高戦でゴールを決めて2-1の勝利に貢献した。1年生ながら全国区の強豪で先発を務めてチーム力を向上させているMFは「(相手にとって)嫌なことは考えています。それは自分が嫌なこと。『ここで受けられたら嫌』、というところを意識してやっている」。登録172cm、60kgのボランチは身体能力の不利を判断の速さや、“賢さ”で埋めている。

 ヴィッセル神戸U-15時代は2年時から出場機会を得ていたが、3年時の怪我の影響で一時コンディションを落とし、ユース昇格を逃した。それでも冬へ向けてコンディションを上げて手応えを掴んできたMFは高校進学後も確実に成長を遂げてきている。「少ないタッチで相手揺さぶりながら、点も取れるように。後ろだけじゃなくて前に絡んで取れるようにしていきたい」。今大会をより上のステージで戦うためのアピールの大会にする。

(取材・文 吉田太郎)
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