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[国体少年男子]相手のミス逃さず着実に加点、全員が「日本一」目標に掲げる広島県が福島県に5-0快勝

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[9.27 国体少年男子1回戦 広島県 5-0 福島県 上富田スポーツセンター多目的グラウンド]

 27日、第70回国民体育大会「2015紀の国わかやま国体」少年男子サッカー競技が開幕し、1回戦8試合が行われた。優勝候補の一角、広島県は前半の4得点など5-0で福島県に快勝。福岡県と対戦する2回戦への進出を決めた。

 広島は井手豊監督(基町高)が「70分間でどういうゲームになるかというのがありましたから。雨で、3試合目で、ピッチ内アップもある状況だったので、試合がどういう形になるか分からない。それはこっちに入ってきた時から言っていました」と語り、U-16日本代表GK大迫敬介(広島ユース、1年)が「ホテルでもみんな気を抜かないように声かけていて、入りとか前から行くように意識していた」と口にする。

 初戦にどういう形で入るのか、そして70分間の戦いをどう終えるのか。個々が集中してチームとして非常に良い形で試合に入ることができた広島が福島のミスを逃さずにリードを奪う。前半10分、福島はバックパスが乱れ、エンドラインを超えそうになったボールをGKが何とか残したが、それをしたたかに狙っていたFW満田誠(広島ユース、1年)がゴールエリアでインターセプト。難なくゴールへ押し込んで先制点を奪う。

 広島は13分にも福島のミスを得点に結びつける。左SB岡野周太(広島ユース、1年)のキックを相手CBが処理を誤り、それを満田が頭でゴールへ流しこんだ。DFラインから丁寧にビルドアップし、MF仙波大志(広島ユース、1年)やMF川村拓夢(広島ユース、1年)、MF根角裕基(広島ユース、1年)のパスで相手を左右に揺さぶる広島は攻勢を続ける。24分には岡野の左クロスからMF村山勘治(広島ユース、1年)が決めて3-0。34分にはチーム唯一の2年生であるMF安部裕葵(瀬戸内高2年)の仕掛けが相手オウンゴールを誘い、4-0と突き放した。

 後半は落ち福島が守備を立て直したこともあって、またやや集中力も欠いた広島は前半と同じテンポで試合を進めることができなかった。福島はFW中井崇仁(尚志高1年)やFW荒川涼太(尚志高1年)の突破やコンビネーションで反撃。まず1点を取り返そうとする。24分には左SB宗方司(尚志高1年)のドリブル突破を起点にFW橋本幸樹(帝京安積高2年)のラストパスを受けた中井が決定的な左足シュートを放つ。だが、GK大迫に阻まれて得点することはできず。逆にベンチメンバー5人全員を投入していく広島はアディショナルタイム、村山が中央から右前方へラストパス。これを川井歩(広島ユース、1年)が右足で流し込んで5-0で試合を終えた。

 快勝で終えたとは言え、まだ初戦。大迫が「後半に緩んでしまったのでもっと点取れたら良かった」と指摘したように課題も残った。それでも、難しい初戦で相手の隙を逃さずに、しっかりと差をつくり出して快勝。選抜チームとしては初となる優勝へ好スタートを切った。

 広島のメンバーはサンフレッチェ広島ジュニアユース時代に日本一を経験している選手たちが大半。これに高校から広島ユースに加入して高円宮杯プレミアリーグなどで出場を重ねる大迫や満田、また個性をもった選手たちが加わり、強力な陣容となっている。そして満田が「みんな日本一という目標を掲げてそれがまとまっている」と語る目標値の高さ。大会直前のシルバーウィーク中に行われた合宿では「個人の目標とチームの目標と紙に書かせて、グループで共有して、チームで共有してという作業はしました」と井出監督は説明する。選手たちが掲げた目標は16名中16名が日本一。チームの目標を指揮官が筆で紙に記し、移動の時は必ず持っていくようにして「日本一」という言葉が目に入るようにしているという。厳しい戦いになることは理解しているが、目標は日本一だけ。経験豊富なコーチングスタッフの存在も支えに高い目標を掲げる広島が、頂き目指して一試合一試合、勝ち抜いていく。

(取材・文 吉田太郎)
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