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[国体少年男子]「歴史を変えよう!」5大会連続初戦完封負けの北海道が逆転で7年ぶりの勝利!

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[9.28 国体少年男子2回戦 北海道 2-1 新潟県 上富田スポーツセンター多目的グラウンド]

 第70回国民体育大会「2015紀の国わかやま国体」少年男子サッカー競技2回戦が28日に行われ、北海道対新潟県戦は北海道が2-1で逆転勝ち。福岡県と戦う準々決勝進出を決めた。
 
 08年国体で静岡県と高知県を下して8強入りしている北海道だが、その後は6年連続で初戦敗退。09年の新潟県戦で1-3で敗れた後は5年連続で初戦を無得点で落としていた。そして、この日は前半11分に先制点を奪われてしまう。新潟は右サイドを駆け上がったSB若月輝(新潟U-15、中学3年)の折り返しをFW中野優也(新潟U-18、2年)が後方へ落とし、最後はFW吉原秀祐(新潟U-18、1年)が右足ダイレクトでゴールへ流し込む。その後も新潟は個人技光る中学生MF本間至恩(新潟U-15、中学3年)を中心とした攻撃でチャンスをつくり出してくる。北海道は注目FW藤村怜(札幌U-18、1年)がスピードを活かした突破で新潟DFを切り裂くシーンもあったが、前半は出足のいい守備を見せる新潟の前に1点の遠い展開だった。

 それでもMF大屋敬太郎(札幌U-18、1年)が「35分あれば1点は取れるなというのはありました。システム変更で自分が(ボランチから)一枚前に出たんですけど、攻撃で前に厚みが出来た」と振り返ったようにパスの受けどころを増やすと同時に、前からの守備で新潟の攻撃を封鎖しようとする。それでも新潟は7分にショートパスで細かくボールを動かして最後は中野が右足シュートを放つなど2点目を狙う。だが北海道は13分、SB宮崎雄大(札幌U-18、1年)の縦パスを引き出した大屋が右サイドを突破。そして折り返しをMF佐藤大樹(札幌U-18、1年)が左足でゴールへねじ込んだ。
 
 これが北海道にとって6年ぶりのゴール。待望の1点を奪った北海道は厳しいマークを受ける藤村に代わって後半攻撃のポイントになっていた大屋、佐藤を軸とした攻撃で勝ち越しを狙う。新潟もリズムのいいドリブルでボールを運ぶ本間に加えて左SB内藤琉希(北越高2年)やMF陶山勇磨(帝京長岡高1年)が果敢な仕掛けでゴールをもぎ取ろうとするが、北海道も左SB佐々木悠真(旭川実高1年)がドリブルでサイドに穴を開けるなど対抗。そして24分、北海道は左ショートコーナーから佐藤の折り返しを受けた藤村が中央方向へ一個持ちだしてから右足を振りぬく。これがゴール左隅を破り、勝ち越し点となった。

 新潟は28分に189cmの大型DF山田洸太(北越高2年)を前線へ投入。パワープレーで1点をもぎ取ろうとする。だが、北海道はCB深谷颯太(北海道大谷室蘭高2年)中心にこれを跳ね返して白星を勝ち取った。北海道の國井康之監督(北海道清水高)は「前半完全に研究されていて、このままじゃということでやり方変えて。その中で最後まで選手たちがやってくれました。選手たちの力です」と選手たちへの賛辞を惜しまず。そして「(最近6年間勝利がなく)そして1点も取れていないのが北海道の課題と言われていた。スタートした時からまずゴール狙おうぜと共通理解していました。(その中で)すごいシュート決めてくれた」と選手たちに目を細めた。

 北海道では「和歌山国体(2015)までには優勝を!!」という目標を掲げ、広大な北海道において選手の集合も難しい中で活動を続けてきたが、12年大会で優勝した兵庫県に競り負けるなど結果が伴っていなかった。それでも「歴史を変えよう、とずっと言っていた」(大屋)というチームは自信を持つ組織力を武器に7年ぶりの1勝。目標期限内での優勝へ第一歩を踏み出した。大屋は「雰囲気は最高で気持ちは試合前から全員高まっている。この勢いでいく。優勝します」と力を込めた。国体の雰囲気に飲まれかけながらも自分たちで改善して壁を打ち破った北海道。組織力とこの勢い、チームの好ムードも力に次は準々決勝突破を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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