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[MOM1504]兵庫県MF佐藤昴(神戸U-18、1年)_大会屈指のMFが発揮した見る力とスキルの高さ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.29 国体少年男子準々決勝 石川県 1-2 兵庫県 上富田スポーツセンター多目的グラウンド]

 指揮を執る小森康宏監督も「よう見てますわ」と感嘆するほどの視野の広さ。斜め後方から寄せてくる選手も「見えている」印象を抱かせる判断スピードと身のこなしを披露していた兵庫県のU-16日本代表MF佐藤昴(神戸U-18、1年)は、高いスキルも合わせて抜群の存在感を放っていた。

 距離を詰めてくるDFをいなして攻撃の起点に。そして「アイツが前向いたら見てくれているというか、出してくれるというのがある。昴を信じて走っています」という右SB前川智敬や、MF日野公貴へ絶妙なパスを配球し、試合開始直後にはGKをがやや前方に位置していたところを見逃さず、正確な右足ミドルでゴールを襲った。そして1-1の後半アディショナルタイムに再び放ったミドル弾が決勝点に繋がる。「感触は入ったかなと」という一撃はクロスバーを叩いたが、跳ね返りを収めたFW今岡陽太がPKを獲得。これをMF持井響太が決めて決勝点となった。

 前日の鳥取県戦は交代出場で決勝点を決める活躍を見せたが、一方で守備面に課題を残した。それだけに、この日は中盤で戦うことも厭わず、星稜の大型ボランチ、川渕陸とも激しいボールの奪い合い。そして「昨日守備できなかった。きょうはできた。相手も勢い合ったし、自分がしないといけないと思った」と振り返った。

「来る前に見ている」判断力の速さ、視野の広さ、そして技術の高さ。そのMFはより強さを求めている。「イメージ的には中田英寿選手のように身体当てられても倒れないで、ミドルシュートも打ってという。少し当てられても倒れないくらいの強い選手に」。今大会屈指のMFが代表へのアピールと位置づけている今大会、目標とする優勝に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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