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[MOM1509]福岡県GK緒方翔平(東福岡高1年)_再びビッグセーブ!「緒方で始まり、緒方で終わった」福岡選抜の国体

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.1 国体少年男子決勝 神奈川県 0-0 福岡県 上富田スポーツセンター球技場]

「緒方で始まって緒方で終わった。乗っているヤツとか出てきて、(国体は)日替わりヒーローでいろいろなヤツが主役になれる大会」。福岡県選抜の木下直洋監督は同点優勝の決まった決勝直後にそう言って、微笑んだ。GK緒方翔平(東福岡高1年)は愛知県との初戦で1-0の延長後半に与えたPKを右へ跳んでストップ。GK暁龍也が先発したV候補・広島県との2回戦でもPK戦突入直前に登場してPK戦でビッグセーブを見せている。その守護神が決勝でも1プレーで再び福岡を救った。

 0-0で突入した延長戦はスコアが動かないまま、後半アディショナルタイムに突入。このまま0-0で終われば、同点優勝ながらも福岡の初優勝が決まる。だが、福岡はアディショナルタイムのラストプレーで大ピンチを迎えた。神奈川が蹴りこんだ右FKのこぼれ球がPAで構える神奈川の左SB澤田章吾の前にこぼれる。これを素晴らしいコントロールで収めた澤田がすぐさま左足を振りぬく。会場の大半の人々が「決まった」と思ったであろう一撃だったが、距離を詰めていた緒方が右手に当ててストップ。そして直後に試合終了の笛が鳴り響いた。

 今大会、超攻撃的SBとして存在感を示してきた澤田が「感覚でゴール前まで行っていて、たまたまこぼれて来て、トラップも上手く行って、でも逆にトラップが上手く行きすぎて慌ててしまってコースが甘いところに入ってしまった。本当に悔しいです」と悔やんだのに対し、緒方は「トラップした瞬間、足からボールが離れるまで、その瞬間を狙って前に出ようと思った。(シュートは)右の手の平に当たりました。最後に仕事できて良かった」と充実の表情を見せていた。

 この日は時折、強い雨が打ち付ける、GKにとっては非常に難しいコンディション。だが緒方は相手のセットプレー、クロスをパンチングで確実に遠くへクリアし、ミドルシュートにも落ち着いて対応した。「ボールがスリップしたり、1バウンドのシュートとか難しかったですけど、ゴールの中には入れなかったので。失点ゼロで終われたのは良かったと思います」。そして今回の国体ラストプレーで優勝を決めるビッグセーブをしてのけた。

 所属する東福岡高は全国高校総体で2連覇を達成。全国総体のメンバー入りすることができなかった緒方だが、「福岡は今、サッカーが勢いづいているから、国体でも優勝してさらに勢いづけたいと思っていました」という通りに活躍を続けて優勝を勝ち取った。今後の目標については「トップチームにいち早く入って活躍できたらいい」と宣言。抜群の勝負強さを発揮した1年生GKがU-18日本代表GK脇野敦至や前島正弥ら実力派の守護神がいる東福岡で成長を遂げ、トップチームでの出場を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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