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[選手権予選]先制FKの注目レフティー、浦和東MF望月は“武南のメッシ”からのエールに「武南の分まで」

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[10.12 全国高校選手権埼玉県予選決勝T2回戦 浦和東高 2-1(延長)武南高 埼玉スタジアム第4G]

 浦和東高の注目レフティー、MF望月海渡(3年)が大一番で先制FKを決めた。前半31分、浦和東は右中間、PAやや外側の位置でFKを獲得。「壁がニアにいたし、GKもニアにいたからファーへ打ってくるとGKが思っているんだなと、思ってニアに蹴りました」というFKが鮮やかにゴール右隅を捉える。GKは一歩も動くことができず。殊勲の背番号4はフィールドプレーヤーたちに祝福を受けた後、自陣側にあるベンチの前まで走り寄ってサブ組の選手たちと喜びを分かち合っていた。

 この日は相手に警戒されてなかなか自由にボールを持たせてもらえなかったが、最大の武器である左足で魅せた。序盤に自陣から一本の縦パスで決定機を生み出すと、低い位置から飛ばすロングパスと、崩しに絡んでからの左足シュートなどでゴールを狙い続けた。課題の守備面、苦しい時間帯の運動量をより向上させたいところだが、それでも存在感を発揮して勝利に貢献した。

 浦和東が対武南高戦で最も警戒していたのが、“武南のメッシ”こと強力ドリブラーのMF紺野和也(3年)だった。今季3度の対戦では全てゴールを決められて敗戦。だからこそ、紺野対策を練って試合に臨んでいた。望月は同じ左利きの紺野対策について「紺野選手は左利きだから、左を切って右で蹴らせようと」と明かし、その相手エースに突破やクロスを許しながらも今季初めて紺野を無得点に封じて勝ったことについてCB高橋隼人主将(3年)は「練習から紺野選手の対応は全員が左足という意識を持っていたから抑えられたと思います」と胸を張った。

 試合後、望月はこの日改めてその怖さを実感したという紺野から「頑張れ」という言葉を受け、「ありがとう」と応えたという。「武南の分まで頑張らないといけない」と誓った望月は「(選手権は)最後なんで、(チームメート)みんなの魂とかそういうのを引き継いでチームに貢献できればいい」。仲間、ライバルたちの想いも背負って頂点まで戦いぬく。

[写真]浦和東MF望月(左)が武南MF紺野のマークを外して左足シュート

(取材・文 吉田太郎)
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