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[MOM1520]埼玉栄MF塩川尚輝(3年)_SBから待望のSH復帰、2得点1アシストの活躍で白星もたらす

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.12 全国高校選手権埼玉県予選決勝T2回戦 埼玉栄高 5-1 川越東高 埼玉スタジアム第4G]

 待望のポジションに“復帰”したMFが2得点1アシストの活躍で逆転勝ちに貢献した。埼玉栄高は選手権予選開幕1か月前にU-17日本代表FW高橋利樹(3年)が左腕を骨折したため、急遽、右SBを努めていた塩川尚輝(3年)をSHへコンバート。元々右SHが本職で、豊富な運動量を活かすためにSB起用されていた塩川だが、「右SHをやりたいなと思っていた」という。本人にとっては選手権を前に願ってもない再コンバート。その背番号2のSHがこの日は攻撃力を発揮した。

 まずは0-1の前半15分、スルーパスでFW森山虎太郎の同点ゴールをアシスト。すると、後半9分には左SB飯田勇吹(3年)の右CKを「前半、上手く入れなくて決定機も1本外していてチームに迷惑かけていたので、試合は自分で決めたいと思っていた。良いボールが上がってきた。練習であの形ずっとやっていて触るだけでした」とGKの前に飛び込んで勝ち越しゴールを決めた。

 さらにその1分後には右サイドを抜けだした高橋の折り返しを右足でゴールへ沈めて連続ゴール。この日は高橋と両翼を担ってプレーしたが、「利樹が左でほかのチームからも注目されて、『右はいいんじゃね』と思われても悔しいので、自分が右で何とかしなくちゃいけないという気持ちがある」という塩川が、怪我を抱えるエース以上の活躍を見せて白星をもたらした。

 埼玉栄中時代にサポートしてもらったトレーナーに憧れ、理学療法士を目指している。そのため、本格的なサッカーは高校まで。その後は専門学校に通いながら、夢に向かって努力することに集中するという。

 今は仲間たちとともに1試合でも多くの白星を勝ち取り、喜ぶこと。稲垣忠司監督が「高橋利樹が怪我した関係で前に動かしたらフィットした」と塩川のSH起用への手応えを口にする中、塩川自身もSHとしてひとつでも多くの得点に絡むつもりでいる。「毎試合、毎試合チームの勝利に貢献したい。SHはゴールも、点に関わることも仕事だと思うので、点も狙って行きたいし、アシストもしたい」。待望の右SHのポジションを得たMFがこれから、さらに躍動する。

[写真]後半10分、埼玉栄は塩川がこの日2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)
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