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[選手権予選]全国総体4強、東京3冠の関東一、準々決勝で散る:東京A

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[10.18 全国高校選手権東京都Aブロック予選準々決勝 関東一高 1-2(延長)堀越高 大泉高G]

 今年の全国高校総体東京都予選を制し、全国大会でもV候補の一角だった大津高を破って初の8強、そして4強入りも果たした。東京都1部リーグでは第17節まで12勝3分2敗の成績で1試合を残してすでに優勝を決めている。その関東一高が東京都Aブロック予選準々決勝で敗戦。早すぎる敗戦に黄色と紺のユニフォームは涙を流すというよりも呆然とした表情のままピッチを後にした。

 前半13分にトリッキーな右CKから全国総体得点王のFW鈴木隼平主将が右足ダイレクトで先制ゴール。その後、堀越高がボールを持つ時間を増やしたが、CB中村翼(3年)とCB鈴木友也(2年)を中心に中央に危なげない守りを見せた関東一は試合をコントロールしながら試合を進めていく。だが、攻撃面ではFW陣が個々の奮闘を見せるも、なかなか相手の守りを破れず。後半10分に追いつかれると、それまで後ろに重かったチームはなかなかギアを上げることができない。そして延長後半3分に勝ち越しゴールを献上。試合終了間際に立て続けにビッグチャンスを迎えたが、決め切ることができずに試合終了を迎えた。

 今年のチームは例年以上に戦い抜く、頑張り抜く姿勢でチームの歴史を変えてきた。今年以上にスキルのあった世代でもやり遂げることのできなかったことを実現してきた。だが、FW高橋快斗(3年)を欠いたほか、怪我や体調面で苦しんだ選手数人も先発していたこの日は、ここぞの場面で力強さを発揮することができなかった。小野貴裕監督は「最後、きょうみたいなゲームで違いを出すことを本来、ウチの強みでありたいなと思っている。そこを追い求めるがうえで、頑張れなくて負けちゃった過去もあるから。その両方を備えていかないと高校サッカーって勝ち抜けない」。歴史を変えたチームも後輩たちに課題を残す結果となった。

 それでも指揮官は選手たちの労をねぎらう。この堀越戦の敗戦が今季公式戦30試合で5敗目。東京都内では関東大会予選、総体予選、そして都1部リーグの3冠を達成し、全国4強という歴代最高の成績も残した。最も手に入れたかったものは逃したが、「他に手に入れたかったものは手に入れることができたので感謝している。1年間通して下を向く内容をしていた訳じゃない」(小野監督)。それでも、選手権を落としたことを1、2年生たちがどう感じたか。後輩たちは先輩たちに負けない日々を送って来年こそ、チームの悲願「選手権初出場」を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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