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[MOM1537]秋田商FW菅原晟也(3年)_逆境でついに決めた!エース番号「17」が全国決定弾!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.26 全国高校選手権秋田県予選決勝 秋田商高 1-0 西目高 八橋陸上競技場]

 秋田商高の小林克監督が「あえて17番なんです」と名門のエース番号「17」を与え、1年間「心優しいヤツでいつ火がつくのか待っていた」というFW菅原晟也(3年)が全国出場を懸けた大一番で決勝点を決めた。

 0-0の後半24分、秋田商はFW青山和樹が相手CBと左SBとの間を突くとすかさず、GKとDFラインとの間にラストパスを入れる。これをファーサイドで詰めた背番号17が右足でゴールへねじ込んだ。「弱い気持ちの子であれば、最後あそこにスプリント出来なかったと思いますけど、ここは走りだすところなんだと見逃さずにあのポイントを突いた」と指揮官も目を細めた菅原晟のゴール。これが秋田商を全国へ導く1点となった。

 菅原晟はこの決勝ゴール直前に相手CBのバックパスをインターセプトしてGKをかわしながらも、コントロールが大きくなったボールをゴールへ押し込むことができなかった。もしかしたら、スライディングしてでも、身体を投げ出してでも決めきるという貪欲さがあれば決めることができていたかもしれない。だからこそ、本人も「外して『ワーっ』となった」と反省する。それでもヘコまなかった。「それでクヨクヨしたら意味が無い。気持ち落としたら意味が無い。チャンスは必ずあると切り替えた」FWは直後に訪れたチャンスでゴール前までスプリントして気持ちでゴールへねじ込んだ。

 1年時からクラスの担任であるという小林監督に指摘されてきたことがある。それは逆境に負けない力を持つこと。「夏からの課題、こういう苦しい状況とか、負けている状況に立たされると何もできない。『逆境を跳ね除けられない』と(小林)克先生に言われていた」。だが、この日、くじけずにわずかにたくましさを見せたFWは「自分がゴール決めてチーム鼓舞するというか、きょうはちょっとはできたんじゃないかな」と微笑んだ。

 それでも自分のプレーに満足はしていない。「この予選ではシュート打てる場面でパス出したりして、自分で仕掛けろと言われきたのでもっと自分で仕掛けられるようにしたい」。この日、左サイドからの鋭いドリブルでサイドを破ったFWは、自分のシュートの形、高い決定力も兼備。「ドリブルで仕掛けながらのシュートとか上手くて。いろいろなことができる」(小林監督)というFWは周囲の大きな期待にもっと応えられるはずだ。今春17番を任された時に「17番、エース番号なのでやってやろうと思いました」という気持ちはより一層大きくなっている。「自分が出ている分、他の人が出れない。その分も背負っていきたい」という17番が全国でより輝きを放つ。

(取材・文 吉田太郎)
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