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[関東]FW山本2発&先発復帰MF渡辺ゴール!!慶應義塾大が“相性いい”国士舘大下し、逆転優勝へ望み

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[10.31 関東大学リーグ第20節 国士舘大0-3慶應義塾大 西が丘]

 第89回関東大学サッカーリーグ戦1部の第20節が31日に各地で行われた。2位・慶應義塾大は勝ち点1差の4位・国士舘大と対戦。FW山本哲平(4年=國學院久我山高)のゴールで2点を先取すると、後半にはFW渡辺夏彦(3年=國學院久我山高)が1点を追加。そのまま逃げ切った慶應義塾大が3-0で勝利し、3戦ぶりの勝ち点3を手に入れた。対する国士舘大は3連敗。首位と勝ち点5差に開いてしまった。

 今季も残るは3節となり、し烈な優勝争いが繰り広げられている関東大学1部リーグ。同日に行われた試合で、勝ち点37で首位の早稲田大が順天堂大と1-1で引き分け、勝ち点34の3位・明治大は勝利。2位・慶應義塾大(勝ち点34)と4位・国士舘大(勝ち点33)にとって、今節は事実上の優勝争いへ生き残りのかかる一戦となった。

 慶應義塾大は前々節・専修大戦で前半のみで交代すると、前節・早稲田大戦(1-2)は出番のなかった渡辺が先発へ復帰。山本と2トップを組んだ。

 対する国士舘大は、今季ここまで17得点を挙げ、得点ランキングでトップに立つFW松本孝平(3年=藤沢清流高)が累積警告で出場停止。前線ではルーキーFW大石竜平(1年=清水桜が丘)とFW林祥太(3年=久御山高)が2トップを務めた。

 前期リーグ最終節での同カードは3-3のドロー。試合前、直近2戦勝ちなし(1分1敗)の慶應義塾大・須田芳正監督は「国士舘大とは相性がいいので。今季上位に居続けるチームとはいえ、前向きに試合に臨める」と話していた。慶應義塾大はその言葉通りに立ち上がりからゴールを奪う。

 前半6分、左サイドから攻め込むとMF松木駿之介(1年=青森山田高)がグラウンダーのスルーパス。ゴール前へ詰めていた山本が冷静に押し込み、ゴールネットを揺らした。山本の今季9点目で1-0と先制に成功した。

 その後も中盤と最終ラインの連動した守備から果敢に相手ボールを奪取。素早く攻撃へ転じると、サイドからチャンスをつくった。

 すると前半37分には追加点。DF溝渕雄志(3年=流通経済大柏高)のスルーパスに抜け出た山本がGKを前に冷静にシュートを決めた。山本の2点目で2-0と差を広げる。そのまま前半を終えた。

 一方の国士舘大は思うようなチャンスを作ることはできず。前半30分過ぎにはセットプレーからDF中村俊貴(4年=流通経済大柏高)が頭で狙うも枠外。その後は右サイドから仕掛け、折り返しを受けた林が狙うもGKに阻まれた。2連敗中でエースFWを欠くチームはゴールが遠い。

 2-0で迎えた後半、集中を切らさない慶應義塾大は早くも追加点。後半3分、DF井上大(3年=國學院久我山高)のクロスから山本が粘ると、最後はPA内の渡辺がシュート。2戦ぶり先発のMFがダメ押しの3点目を奪った。

 まずは1点を返したい国士舘大。後半10分にはMF田中智也(3年=横浜FMユース)に代わって、FW山口和樹(2年=日本航空高)を投入。その後は幾度かバイタルエリアまで攻め込むが最後の場面でアイディアを欠く。ドリブルで左サイドへ持ち込んだ大石のクロスは味方に合わず。前半16分には後方から上がってきた中村がグラウンダーのクロスを入れる。あわやゴールかと思われるも枠を外れた。

 3点リードの慶應義塾大は後半23分に渡辺に代わって、FW田中健太(2年=横浜FMユース)を投入。同36分には松木に代え、FW池田豊史貴(2年=浅野高)をピッチへ送る。同40分には最後の交代カードを切り、MF宮地元貴(3年=東京Vユース)に代わり、FW黄将健(4年=近畿大附高)が出場した。

 この日の国士舘大はゴールが遠い。後半29分にはPA内でこぼれを拾ったMF諸岡裕人(1年=正智深谷高)のシュートはクロスバーを叩く。跳ね返りに自ら詰めるも決め切れなかった。同36分には、ゴール前へ走りこんできた中村がPA内からゴールを狙うも枠外。決定機で決めきれずに時間は過ぎた。

 そのまま試合は3-0で終了。勝利した慶應義塾大は首位・早稲田大と勝ち点1差に詰めると2位をキープ。今季2試合を残し、1952年以来のリーグ制覇へ向けて望みをつないだ。次節では流通経済大と、最終節では明治大と戦う。また、敗れた国士舘大は首位との勝ち点差が5差に開き、優勝はほぼ絶望的となってしまった。

(取材・文 片岡涼)

●第89回関東大学1部L特集

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