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最年長MVP記録更新の鹿島MF小笠原「Jリーグをまだまだ引っ張っていきたい」

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[10.31 ナビスコ杯決勝 鹿島3-0G大阪 埼玉]

 試合終了後、この試合のMVPが発表されたとき、スタンドは大きく沸いた。受賞したのは、36歳になった鹿島アントラーズの闘将MF小笠原満男だった。

 文句なしの受賞だろう。チーム全体を鼓舞して、CKから先制点、2点目を演出。ダメ押しの3点目でもカウンターの起点になる勝負所を知ったプレーに加え、ピッチ上を所狭しと走り回る姿は年齢を感じさせないものだった。

 02年大会以来、キャリア2度目のMVPに輝いたベテランは、「36歳という年齢は、サッカーにおいて若い部類ではありません。ただ若い頃になかったものっていうのも今はあるので。36歳には36歳なりの良さがありますし、こういう舞台で、勝ってきたことばかりがフォーカスされますが、決勝で負けたことも何回もあります。そういう中でどうしたら勝てるのかっていうところが一番自分が力になれるところだと思う。若い頃にあったモノがなくなっているかもしれませんが、得たものもある。この年齢になって見えてくるものもあるので、決して悪いことばかりではないと思います」と、胸を張った。

 Jリーグの歴代最多記録を更新する17冠目を獲得した鹿島だが、今季は決して良い時期ばかりではなかった。シーズン途中には成績不振から、トニーニョ・セレーゾ監督が解任となり、石井正忠監督が就任。そこからチームは上昇気流に乗ったが、小笠原監督はクラブのOBでもある指揮官が植え付けたものについて「今日の試合を見てもらったら分かる」と説明する。

「勝利にこだわるのが、このチーム。全員でファイトするチーム。それができればいいサッカーできる。勝てると思う。今日の試合が全てかなと思う。Jリーグ初期からこのチームを知っている石井さんが、アントラーズはそういうチームだと。まず戦うんだということをずっと言い続けてくれた。練習からやってくれた成果が出たと思う。素晴らしい監督だと思います」

 G大阪に決定機をつくらせずに完勝した鹿島。試合後、G大阪のMF遠藤保仁は同年代の小笠原のプレーを称え、「勇気づけられた」とコメントした。一方の小笠原も遠藤の存在は大きな刺激になっているようだ。「ずっと10代のころからやっていて素晴らしい選手です。選手としてもキャリアでも、自分の中では一つも勝っているところはないと思っています。一人の人間として彼を尊敬しているし、素晴らしい選手だと思う。でも、チームとして負けたくはなかった」と、強い気持ちを口にした。

 小笠原に引っ張られ、鹿島は3年ぶりにタイトルを獲得した。この優勝が若返りをはかっているチームにとって大きな経験になると喜ぶ小笠原は、一方で自身を含めた黄金世代と呼ばれた79年代の選手たちも互いに刺激し合い、まだまだ第一線で活躍していくと宣言した。

「僕らの世代は、良い思いをばかりをしてきたわけではない。悔しい思いもいっぱいしたし、良い思いもさせてもらった。勝つときはチームが一丸になることを理解しています。まだまだ、この年代のみんなで頑張りたい。ヤット(遠藤)もそうだし、本山(雅志)もそうだし、(小野)伸二も、イナ(稲本潤一)もいるけど、Jリーグをみんなでまだまだ引っ張っていきたい。活躍して刺激し合える関係でいたい」

 若い選手たちが彼らの世代を凌駕するのは、並大抵のことではないだろう。「まぁ、やれるもんならやってみろっていうのはありますね。まだまだ僕らも負けていられないので」。96年、清水に所属していたMFサントスの35歳6カ月26日の記録を36歳6カ月26日にちょうど1年塗り替えて、ナビスコ杯決勝MVPの最年長記録保持者となった小笠原は、まだまだ鹿島の、Jリーグの顔であり続ける。

(取材・文 河合拓)

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