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サポーターに感謝し、更なる応援を求める大宮GK加藤「ホーム最終節は満員に」

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[11.1 J2第39節 大宮2-1長崎 NACK]

 4試合未勝利が続いていた大宮アルディージャを、ファン・サポーターが奮い立たせた。NACK5スタジアム大宮に大宮の選手たちを乗せたバスが到着すると、大勢のサポーターがチャントで迎えた。その声援は選手たちに届いていた。「毎試合、やってほしいですね」と、GK加藤順大は笑顔を見せた。

 J1昇格決定に大きく近づきながらも、足踏み状態が続き、2位の磐田とは勝ち点4差、3位の福岡にも勝ち点6差まで迫られ、危機感を覚えていた選手たちは今週、キャプテンのDF菊地光将の呼びかけの下、2度に渡ってミーティングを行い、問題点を洗い出したという。「1週間の準備期間の中で、なぜ自分たちがこういう結果なのかをみんなで話し合えましたし、そういうところが今日の勝利になったと思います」と、加藤は話す。

 なぜ、勝てていないか。その問いに対する明確な答えはでなかったものの、ここ数試合、明らかに増えていたのが失点だった。そのため、選手たちはまず失点を減らそうと話し合い、守備を再確認した。結果、不用意なボールロストからのショートカウンターで1失点を喫したが、好調時の安定した守備が戻って来た。

 最後尾でプレーする加藤も「久しぶりの感じだった」と認める。そして、「しっかり追うところは追う、(ボールを奪いに)行くところ、行かないところがバランスよく、コンパクトにできていたなと思います。1年を通じて、常にこのサッカーができないといけないのですが、何試合か経て、やっと戻って来たなと感じています。みんな迷いなくプレーできていました」と、手応えを続けた。

 2点リードした中で1失点を喫したが、勝ったことで、これも良い薬にできそうだ。この失点は、自陣でカルリーニョスが無理にボールをつなごうとしたところ、相手に引っかけられて速攻を受けた。「1失点してしまいましたが、そこは修正できるところ。今日は全体的に、誰かのミスは、他の誰かがカバーできていたので、あのシュートも僕が止めてあげて、『何でもなかったよ』と言ってあげたかったですけどね」と、ボールロストを責めずに自身のプレーを反省した。

 この試合では、ここ数試合で先発を外れていたDF大屋翼とDF渡部大輔が、ともに先発出場し、勝利に貢献した。特に渡部は1得点1アシストという結果を残したが、それもチームを勢いづかせる要因になり得ると、加藤は言葉に力を込める。

「久々に出たメンバー、(渡部)大輔だったり、(大屋)翼だったりが、しっかりやってくれた。僕も一時期、出られなくなりましたが、大輔と同じときに出られなくなったし、翼もそういう時期があった。今日はチームが一丸となってやっているんだぞということを、みなさんに見せられたと思います。大輔のゴールは、うれしかったですね。開幕戦の家長選手のゴール以来、久しぶりに喜びに行っちゃいました」

 5試合ぶりに勝利した大宮は、残り3試合中2試合に勝利すれば、他クラブの結果に関わらずJ1自動昇格が決まる。この試合には1万600人が集まったが、スタンドにはまだ空席が残っていた。「スタジアムが埋まるまでには足らなかったですね。でも、今日の試合で僕らが勝ったので。ホーム最終戦は、満員になってくれると思います。そこでもしっかり勝ちたいです」。14日のホーム最終戦となる大分戦で、今季最大の喜びの瞬間を迎えるために、まずは次節の讃岐戦を再び一丸となって戦う。

(取材・文 河合拓)
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