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[選手権予選]帝京長岡が決勝進出。好調2トップの3発で長岡勢対決制す:新潟

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[11.3 全国高校選手権新潟県予選準決勝 長岡向陵高 0-3 帝京長岡高 新潟市陸上競技場]

 第94回全国高校サッカー選手権の新潟県予選は3日、新潟市陸上競技場で準決勝を行い、第2試合は帝京長岡高が3-0で長岡向陵高に勝ち、決勝進出を決めた。

 高野歩夢が2得点、小林拓夢が1得点。2トップの3得点で長岡勢対決を制した。帝京長岡の古沢徹監督は「選手が全員、集中してピッチに入っていた。前半のうちに2点を取れたことが勝因。前の(ポジションの)2人で仕事をできたことで、チームも勢いに乗れたと思う。総体予選の後、小林拓、高野の2人で点を取れるシーンが増えている。準決勝から決勝までは日にちがあるので、決勝のことは考えずにここまでを1つのスパンと考えてやって来た。ここから、もう一度ギアを入れていきたい」と手ごたえのある勝利を振り返り、2年ぶりの優勝へ視線を向けた。

 試合は、帝京長岡が立ち上がりから、積極性と攻撃の鋭さを見せた。7分に右、10分に左とサイドを攻略し、果敢に攻め立てた。そして21分、主将の小林拓が右サイドを突破すると、進行方向にいた高野が、サイドに逃げるのではなく、入れ替わるように中央へ移動。小林拓が相手を引き付けてラストパスを出すと、「拓夢がこっちに向かって来て、最初は違う方向に動こうとしたけど難しかったので、逆に行ったら、良い形でボールが来た。あとはミートすることだけを考えていた」という高野がワンタッチでファーサイドへ流し込み、先制点を挙げた。

 帝京長岡は、試合のペースを渡すことなく攻め立てると、30分には相手DFが自陣の深い位置でルーズボールの処理を誤った隙を見逃さずに人数をかけて急襲。少ないタッチのパスをつないでゴール前へ侵入し、ポスト役となった小林拓の丁寧なバックパスを高野がゴールへたたき込み、追加点を挙げた。前半のシュート数は6対0。勢いの違いを見せつけた。長岡向陵は、ボランチの山田朋成の左足のパスに合わせて1年生FW外山光が飛び出すなどカウンターを狙ったが、シュートへ持ち込めなかった。

 しかし、2点差で迎えた後半は長岡向陵が盛り返した。後半開始40秒で右DF廣瀬亮太がシュートを放ち、こぼれ球からボランチの谷口成冴がさらにミドルシュートを放った。帝京長岡としてはズルズルと相手ペースに持ち込まれると苦戦ムードになるところだったが、DF吉田誠が「後半、相手に前から(プレッシャーをかけに)来られてシュートを打たれたけど、我慢して無失点にできたところが大きいと思う」と話したとおり、我慢すべき時間を我慢できた。

 12分に右DF大塚翔太が負傷で交代した後も崩れることはなく、対応。攻撃面では相手の最終ラインの背後や隙間に走り込む小林拓、足下の技術でアクセントをつけられる高野を起点にゴールを狙いながらも決定力を欠いて攻めあぐねたが、中盤のドリブルキープなどでリズムに変化をつけていたレフティーの陶山勇磨の縦パスで抜け出した小林拓が、前に出て来たGKをよく見てワンタッチシュートを流し込み、ダメ押しの3点目を奪って勝利を決定付けた。

 小林拓は、4試合連続ゴール。「後半の立ち上がりは、少し(相手のペースに)飲み込まれているかなと思ったし、次の1点を自分が決めてやろうと思っていた。強い気持ちで臨んでいたので、決められて良かった」と笑顔を見せた。長岡向陵は後半に入って左MF山本貴大が積極的に突破を図るようになり、36分には山田が中央でのキープからミドルシュートを放ったり、アディショナルタイムには松島翼のロングフィードをヘディングでつないだボールを山田が狙ったりと意地を見せたが、ゴールは遠かった。

 試合は、3-0で帝京長岡が完勝を収めた。15日に行われる決勝戦では、新潟明訓高と対戦する。今季の対戦成績は、3戦全敗。プリンスリーグ北信越で2度、高校総体予選で1度戦ったが、すべて0-1のスコアで敗れている。小林拓は「まだ一度も勝っていない。(選抜などでチームメートだった選手も多い)アイツらと戦えるのもこれで本当に最後。ひと泡吹かせてやろうという気持ちは、みんなが持っている」と最終決戦でのリベンジにかける思いを明かした。2年ぶりの全国出場へ、最後の課題である天敵撃破に挑む。

[写真]帝京長岡は後半に小林拓が3点目のゴール

(取材・文 平野貴也)
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