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[選手権予選]大エースを欠く那覇西、FW起用の元SBが今大会初ゴールで決勝弾「代わりとは思っていない」

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[11.3 全国高校選手権沖縄県予選準決勝 那覇西高4-1普天間高 沖縄県陸]

 那覇西高は4-2-3-1の布陣で臨んでいる。この日、1トップには背番号4を付けるFW下地優利(3年)が入った。下地は4回戦までは左SBで起用されていたが、決定力、気持ちの強さを買われて準々決勝からはFWで起用されている。「左SBは得意なんですけど、もっと攻撃したいという気持ちがあるので。やっぱりFWが好きですね。気持ちが全面に出せるポジションはFWだと思うので、自分はFW向きかな」。元SBは今大会初ゴールを決めて、那覇西を2年ぶりの決勝へと導いた。

 県内では無敵の強さを誇る那覇西高に今夏の総体県予選で悪夢が襲った。準々決勝首里戦、FW久貝俊喜(3年)がシュートを打った際の着地で右足を負傷。骨折と診断され、長期離脱を余儀なくされた。現在もリハビリに励んでおり、選手権予選はスタンドからの応援を強いられている。

 大エースを失った那覇西は、その後、試行錯誤を続けることになる。直後の準決勝からFWの位置には下地が入ったが、那覇高との決勝戦では、0-1と完封負け。県内4冠(新人戦、総体予選、県1部リーグ、選手権予選)を目指していたチームの夢は潰えてしまった。

 下地はその後、チーム事情もあってSBに戻っていたが、今大会の準々決勝の浦添高戦からFWに再転向。そして迎えた準決勝、後半4分に貴重な逆転弾となる今大会初ゴールを決めて、チームを決勝へと導いた。「今大会もセンターFWで使ってもらったけど、チャンスで決めれることが出来なくて、チームに迷惑をかけていた。決めることが出来てよかったです」。背番号4は胸をなで下ろした。

「総体予選を負けて、かなり悔しい思いをした。リベンジの気持ちで必ず全国行きたいです。自分がそこで試合を決めれればと思っています」

 チームは久貝が全国大会までには復帰できると信じて、県予選を戦っている。ただ下地は簡単に席を空けて待っているつもりはない。「あいつの代わりとは思っていない。あいつよりももっとすごい選手になりたいと思っている。怪我したからどうのこうのではない。自信はあります」。力強い言葉。もうエース不在とは言わせない。 

(取材・文 児玉幸洋)
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