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[MOM1563]中京大中京MF加藤弘也(2年)_期待の10番が2発!!より「波の無い」アタッカーへ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 全国高校選手権愛知県予選準々決勝 中京大中京高 7-1 豊川工高 G刈谷人工]

 パスで崩していく中京大中京高において、MF加藤弘也(2年)のドリブルは大きなアクセントとなっている。左サイドでボールを持つと、多彩な足技と軽やかなステップワークを駆使し、敵陣を切り裂いていく。

 調子が良いときはその破壊力は凄まじく、この試合でも彼のドリブル突破は大きなアクセントとなった。1-0で迎えた22分には、右サイドでボールを受けると、軽やかなフェイントで対峙したDFを翻弄し、そのまま強烈なシュートを沈めた。そして、後半のゴールラッシュの口火を切ったのも加藤だった。6分にPA内で仕掛けると、相手のファールを誘い、PKを獲得。これをMF辻星哉が決めると、24分にはMF福山大貴のスルーパスに反応して、4点目となるゴールを沈め、試合を決定付けた。

「今日の相手だと中盤にスペースが出来るので、加藤の武器であるドリブルがより生きると思った。彼は仕掛けられるし、スペースで受けられる選手。ハーフタイムにも『前半は加藤だけが良い』と話したし、今日のポイントになってくれた」。厳しい檄を飛ばした岡山監督も、彼の活躍には目を細めた。それだけ指揮官の彼への期待感は高く、それが2年生ながら背番号10を託されていることに現れている。

 だが、まだまだ課題も多い。それは「調子の良いときは」と前述したように、プレーの波があり、相手によっては消えてしまうこともある。それがまだスタメンに完全に定着を出来ていない要因でもある。

「常に安定したプレーが出来ないのが僕の課題です。10番を背負わせてもらっている責任もあるし、もっとプレーの波を無くして行かないといけない。どんな相手でも武器を発揮出来るようになれば、もっと信頼をしてもらえると思う」。本人もその課題を理解しているし、この波を無くせば、完全なるエースになれることも理解している。

「準決勝以降は相手のレベルももっと上がるので、そう言うときにこそ、チームを勝利に導くゴールを決められるようにしたいし、10番としてのプレーをしたい」。波の無いアタッカーを目指して。伸び盛りの2年生MFは、まずは選手権出場を掴むために、準決勝以降も変わらぬ活躍をすることを誓った。

(取材・文 安藤隆人)
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