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[MOM1566]刈谷GK加藤綜一郎(3年)_PK戦で2本ストップ!頭脳派GKがV候補撃破の立て役者に

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 全国高校選手権愛知県予選準々決勝 刈谷高 1-1(PK5-4)東海学園高 G刈谷人工]

「後ろから見ていて、声も出ていたし、CBとのコミュニケーションもしっかり取れていたので、問題は無いと思った」。

 こう語ったのは、刈谷高のGK加藤綜一郎。守護神として君臨する彼は、反応のいいGKだが、頭脳的でしっかりと後ろから試合状況を把握出来るのが強みだ。優勝候補筆頭の東海学園高に0-1とリードを許しても、その明晰な頭脳はブレなかった。

「いつもラインコントロールは意識していますし、誰にどうやられたら怖いかを把握して、そうさせないようにDFラインとコミュニケーションをとります。今日は相手の10番(光崎伸)と15番(松岡陸)はボールを持たせたら上手いので、常に誰かがプレスに行けるように考えましたし、身体能力が高いFWもいるので、常にDFラインにはFWがどこにいるかを伝えました」。

 彼の的確なコーチングと、DFラインの高い集中力によって刈谷は2点目を与えず。東海学園の作った決定機は、すべてセットプレーで、流れの中からはチャンスを作ることができなかった。

 高いパフォーマンスを見せた守備陣に、攻撃陣もしっかりと応えた。後半に入ると、1トップのエース藤枝丈(3年)、右ワイドの勝野大地(3年)、水野智大(1年)と東弘一郎(3年)のツーシャドーがフレキシブルに動いて、ポゼッションをしながら中盤でイニシアチブを握ると、多彩な攻撃で東海学園を押し込んでいく。

 後半27分には右サイドを突破した勝野のセンタリングを、ファーサイドで東がドンピシャヘッドで合わせ、ついに同点に追いつく。完全に崩しきった得点で波に乗ると、延長戦に入っても決定機を作り出すなど、刈谷は躍動感溢れる攻撃と堅実な守備を披露した。

 そして迎えたPK戦。クレバーな守護神が、きっちりと仕事を果たした。「相手をしっかりと観て、自分の身体に届くコースのボールに反応することを考えた」と、キッカーの状況を分析し、コースを観て着実に反応する。そうすることでより集中して、迷い無く対応することが出来る。これをしっかりと実戦し、東海学園4人目と6人目のキックを、完全に読み切ってセーブ。6人目のキックを弾いた瞬間、刈谷の準決勝進出が決まった。

「準決勝以降もしっかりとDFラインとコミュニケーションをとって、安定した守備が出来るようにしたい」。

 98年度に出場して以来の全国大会に向けて、勢いがついた伝統校・刈谷。最後尾に構える頭脳派GKは、まだまだ続く意気の抜けない決戦に向けて、集中力を高めている。

(取材・文 安藤隆人)
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