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[選手権予選]シンプルプレーを指揮官賞賛、流経大柏の1年生MF菊地が存在感発揮して1ゴールも

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[11.1 全国高校選手権千葉県予選準々決勝 流通経済大柏高 4-0 八千代松陰高 東総運動場]

 流通経済大柏高の本田裕一郎監督が、FW抜擢で2得点をマークしたジャーメインアレクサンダー正(3年)とともに高い評価を与えたのが1年生MF菊地泰智だ。左MFとして先発した菊地は「サイドハーフよりもトップ下に入る意識でやれと。点取れ、点取れと言われていた」というように、サイドに張るのではなく、積極的に中央へ入り込んでのプレー。この日は幸運な形ではあったが、右サイドから左足で入れたシュート性のクロスでチーム3点目のゴールを奪ったほか、シンプルな1タッチのパスで決定機に絡むなど存在感を発揮していた。

 1タッチの技術を求める本田監督が「良くなったね。菊地があんなにシンプルにやると思わなかった。ほとんど持たないから。こっちが言ったことを言った通りにやってくれる」と絶賛したプレー。ボールを保持して攻撃のリズムをつくること、チャンスメークすることを得意とするMFはこれまで、中盤を重心の低いドリブルで突破したり、得意の左足で展開したり、一発のパスでビッグチャンスを狙うような印象が強かったが、この日はシンプルに前線にボールを当ててリターンを拾い、それをまた捌きながら、最後の局面では個人技とスピードも活かして得点をもぎ取ろうとした。

 運動量にも自信を持つ菊地は守備面でも献身的な働きを見せて及第点を大きく越える活躍。シーズン当初は1年生チームでRookie Leagueを戦っていたレフティーはすぐにAチームへ昇格し、プレミアリーグのスピード感の中で経験を積んできた。当初は重圧を感じながらのプレーだが、現在は少しずつ周囲から信頼もされてきている感覚がある。部員全員が目指してきた選手権を戦っている以上、より期待に応えるプレーをして、全幅の信頼を得られるようにしなければならない。

「自分が3年生の立場だったら、1年生に100パーセント信頼置けないと思う。自分はその立場なので、意識して3年生が3年間してきたことをしっかり背負って、守備も結構走れる方なので前からしっかりプレスかけて、アシストでも、ゴールでも、おとりになるでも何でもいいのでゴールに繋がるプレーがしたい」と力を込めた。名門・流経大柏で1年生ながら先発を張る注目レフティーが名門を全国へ導く力になる

(取材・文 吉田太郎)
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