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[選手権予選]伝統校復権へ!国見が長崎4連覇狙った長崎総科大附撃破!!

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[11.7 全国高校選手権長崎県予選準々決勝 長崎総合科学大附 0-1 国見高 島原市平成町人工芝G]

 第94回全国高校サッカー選手権長崎県予選準々決勝が7日に行われ、4連覇を狙う長崎総合科学大附高と全国優勝6回の名門・国見高が激突。1-0で勝った国見が創成館高と戦う準決勝(8日)進出を果たした。

 立ちはだかってきた壁をひとつ乗り越えた。かつて21年連続で長崎を制し、戦後最多タイとなる6度の全国優勝を成し遂げてきた国見だが、10年度全国高校選手権出場を最後に夏冬ともに長崎県予選を突破することができず。かつての絶対的な強さを発揮することができていなかった。その間台頭してきたのが国見を全国屈指の名門校に育てあげた小嶺忠敏監督率いる長崎総科大附だ。08年の本格強化開始からわずかな期間で長崎を代表する存在に成長し、選手権予選3連覇、県新人戦5連覇など長崎を代表する存在になっている。

 国見の現3年生たちは入学してから公式戦で一度も長崎総科大附に勝利していなかった。だがMF清光脩帆主将(3年)は「総附には公式戦で1回も勝てていないのでチャレンジャー精神でやりました。でも、今年1年通して全国の強いチームとやってきたので、恐れることはない。気持ち的には平常心でやれました」。今年、九州新人大会で準優勝して復活の礎を築いた世代が強敵撃破を果たした。

 立ち上がりから押し込んだのは長崎総科大付の方。前線の個を活かしたロングボールや右DF高倉蓮(3年)のロングスローなどパワーある攻撃と、セカンドボールの優位性を活かして前半はほとんどの時間帯を国見陣内で進めていた。そして、15分には右クロスのこぼれ球をMF右田翔(2年)が右足で狙い、16分にもこぼれ球を10番MF中島成斗(3年)が右足で叩く。
 
 序盤は攻撃機会の少なかった国見だが、20分にセカンドボールを拾った10番MF彦坂亮太(3年)が左サイドを突破する。中盤で落ち着いたプレー光る彦坂や前線で身体を張る酒井中心に攻め返した国見は23分、MF内藤総也(3年)の左ロングスローをCB菅田真啓(3年)が競り勝つと、ファーサイドで待っていたエースFW酒井信磨(3年)が右への動きでDFを外しながら右足シュート。GKの動きをよく見て放った一撃がファーサイドのゴールネットへ吸い込まれた。

 初のビッグチャンスを得点に結びつけた国見に対し、長崎総科大附もFW日野友貴(3年)の右足シュートやDF知念哲矢主将(3年)のヘディングシュートなどで反撃。だが、「空中戦は自分でも負ける気がしないので自信を持ってやりました」という菅田と重本修作(3年)の両CBが制空権を渡さない。また後半は「ハーフタイムに選手同士で話して、前半は中盤のスペースが空いていたのでFWが下がってきたり、DFラインを上げることで埋めました」という清光と彦坂中心にセカンドボールをよく拾っていた国見が攻撃面でもオープンスペースを上手く活用してチャンスをつくる。20分には右サイドを酒井が突破し、MF平島祐貴(3年)が決定的な左足シュート。これはGK松村優太郎(3年)の正面を突いたが、その後もDFを振り切る酒井や内藤からのラストパスがPAに入ってくる。

 長崎総科大附も27分に左サイドを完全に崩し、日野がゴール至近距離から右足シュートを放ったが、国見はGK紫垣亮(3年)が驚異的な1ハンドセーブでゴールを死守する。長崎総科大附は30分にも右中間を破った日野のラストパスが交代出場のMF荒木駿太(1年)に入るが、GKをかわしながら放った左足シュートは枠左。33分には荒木が個人技でDFを外して決定的な左足シュートを放ったが、これもわずかにポストの左へ外れてしまう。終盤につくり出したビッグチャンスを決めきれなかった国見だが、夏休みに県外遠征の日数を控えて早朝5時からの3部練習などで徹底的に走りこんだり、戦術を磨いてきたチームの守りはブレない。小嶺栄二監督も「総附さんの方が個人としても、チームとしても能力が高いのでいかにしてサボらないか。自分だけ、これくらいいいかなというのは絶対にやられる状況だったので、最後まで集中力持ってやったことが勝利に繋がったと思います」と評したように、誰一人サボらず戦い抜いて難関を突破した。

 試合後、国見・小嶺監督は「次も満足しないで頑張れ、という言葉を頂きました」と恩師でもある長崎総科大附の小嶺総監督から言葉をかけられたことを明かした。難関を越えたが、チームの目標は県の頂点、全国で勝ち進むことにある。菅田が「自分たちは一度も優勝したことことがないので、チャレンジャー精神を忘れずに、今後取り組んでいきたいと思います。一戦一戦を大事にしていきたい」と語り、清光が「一戦一戦、気負わずに平常心でやっていきたいと思います」と語ったようにここで満足することなく、一戦一戦平常心で戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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