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[MOM1589]洛北FW貴舩陸(3年)_エースストライカーが復活!2試合連続2発!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.7 全国高校選手権京都府予選準決勝 伏見工高 1-2 洛北高 西京極]

 チームメイトの誰もが認めるエースストライカーが、復活の狼煙をあげた。

 準決勝・伏見工高戦で2得点を決めた洛北高FW貴舩陸(3年)。先制点はMF木村幸太(3年)とのワンツーで抜け出して、至近距離からのシュートをネット上段に突き刺した。「左足を振りぬいたら、いいコースへ飛んだ」(貴舩)という豪快なゴールだ。2点目は右サイドのMF島田潤也(3年)からのグラウンダーのクロスを左足で合せたもの。「僕は触るだけでした。島田が個人技でチャンスを作ってくれた」とチームメイトをたたえている。強力な左足とPA内で合せる形、いずれも彼の特徴が発揮されたゴールだった。

 昨年から定位置をつかんでいる大型FWは当たり負けしない身体の強さもあり、180cmという身長以上の印象を抱かせる。空中戦に強く、昨年はまず貴舩にボールを当てて起点を作るのが攻撃パターンとなっていた。最終学年となった今年、ますますの活躍が期待される中で、8月上旬に右足首を負傷。3週間ほどで復帰したが、なかなか調子の上がらない時期が続いた。今大会も初戦となった龍谷大平安高戦ではシュートまで持ち込める場面が少なく、4回戦までの3試合はノーゴールだった。そうして向かえた準々決勝・京都廣学館高戦。前田尚克監督が「試合当日の朝、シャワーを浴びながら思いついた」というのが貴舩の左サイド起用だ。4-2-3-1の左サイドハーフに入った試合は、終わってみれば2ゴールの活躍。「プレッシャーの厳しい最前線から、前を向きやすいサイドに出すことで持ち味を出してほしかった」(前田監督)という指揮官の思惑が的中した。準決勝では中央の制空権を考えてトップ下でスタートしたが、前半途中で左サイドに移ってから2得点が生まれている。左サイドでのプレー経験はほとんどないが「縦に勝負できるし、右サイドからのクロスにも入りやすい」と好感触をつかんでいる様子だ。

 また、得点以外の部分でも進化が見られる。今大会、サイド攻撃を掲げるチームにおいて積極的な攻撃参加から多くのチャンスを作り出しているのが左SBの中切諒真(3年)だが、貴舩と中切が左サイドでコンビを組むのは今大会が初めて。当然、連係面で難しさが出てくるが、中切は「最初の試合は(貴舩)陸が左利きなので縦に行くことが多く、僕が上がりにくかった。それが2試合目はタメを作って自分の攻撃参加を引き出してくれる場面が増えた」と話している。前田監督は「ここにきてチームの新しい面が出てきている」と大会中におけるチームの成長を喜んでいるが、これもその一例だ。

 決勝戦に向けての思いは人一倍強い。2年前の決勝戦は、今年と同じ京都橘高vs洛北のカードだった。その一戦に貴舩はMF大川聡一郎(3年)とGK吹金原拓海(3年)と共に1年生ながらベンチ入りし、3人の中で唯一、途中出場でピッチに立っている。結果は敗戦。貴舩自身も「何も出来なかった」と、先輩たちの涙を横で眺めることしかできなかった。あれから2年がたち、名実共にエースストライカーへと成長した。「ほとんどの人は京都橘が勝つと思っているだろうけど、負ける気はしないんです」という言葉は決して強がりではない。チームメイトには中学時代に在籍した京都J-マルカFCから6年間、苦楽を共にしてきた仲間が5人もいる。4人がスタメン、残る1人もスーパーサブとしてベンチに控えている。そんな仲間たちと最後に戦う選手権の舞台。「入らないときは(得点が)本当に入らないんですけど、入るときは入るんです」。そう笑って話すFWは直近の2試合で4得点。量産モードに入った状態で迎える決勝戦で狙うのは、チームを全国へと導くゴールだ。

(取材・文 雨堤俊祐)

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