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[MOM348]早稲田大FW山内寛史(3年)_チーム背負った10番が大一番で2発!!

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.15 関東大学リーグ第22節 法政大1-2早稲田大 西が丘]

 3年生ながら背番号10を背負うFWがチームを19年ぶりの頂点の座に導いた。早稲田大のFW山内寛史(3年=國學院久我山高)は引き分け以下で優勝を逃す可能性があった法政大戦で2得点の活躍。2-1で勝った早稲田大は19年ぶり26度目の優勝を果たした。

 先制ゴールが生まれたのは、0-0で迎えた後半8分。左サイドでFW宮本拓弥(4年=流通経済大柏高)へパスを出した山内はすぐさま前のスペースへ走り込んだ。宮本のヒールでの返しを受けて、冷静に右足シュート。「GKに触られましたけど、自分の得意な形で流し込めた」というシュートはネットを揺らした。2戦連続弾で1-0と先制した。

 直後の後半11分にも決定機。宮本の左クロスから山内がシュートを放つもクロスバーを叩く。追加点のチャンスを逃した瞬間を山内は「いつも1点を取ったあとの2点目が取れない状況だった。自分が取らないとという意志もあった。ここで決めないと厳しい状況になると分かっていたので、あのチャンスを外して焦りはあった」と振り返る。

 それでも気落ちせずにゴールを目指し続けると、クロスバーを叩いたシュートから1分後の後半12分。山内はチャンスをものにした。左サイドから自らドリブルで持ち込んでの右足シュート。「先制点と同じコースだと取られるイメージがあった」ため、ニアを狙ったシュートはGKに阻まれたが、こぼれに自ら反応すると右足で流し込んだ。終了間際に1点を返されるも、2-1で逃げ切った早稲田大が勝利した。

 仕事を果たした3年生ストライカーについて、早稲田大の古賀聡監督は「チームを背負うという意識がある。(以前は)自分のプレーに専念していたのが、チームのためにどう動くかに変わってきたのがいい結果につながっている」と評価を話す。

 チームは19年ぶりの戴冠を遂げたが、まだまだ山内は満足しない。「永続的に頂点に立つための土壌作りという理念が自分たちの中にあって。今までは頂点を見ないままにやってきましたけど、今ここでひとつ見れたということは、それを後輩たちに継承して歴史を作っていかないといけない。ここがスタート」と強く先を見据えた。3年生ストライカーの歩みはまだまだ止まらない。

(取材・文 片岡涼)
●第89回関東大学1部L特集

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