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[選手権予選]東京五輪へ向けて「一番良い環境」G大阪進む大津CB野田、自身初となる選手権の舞台へ

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[11.14 全国高校選手権熊本県予選決勝 大津高 7-4 東海大熊本星翔高 水前寺]

 0-1の前半10分、大津高の同点ゴールが決まると、ガンバ大阪加入内定が発表されているU-18日本代表CB野田裕喜主将は歓喜に沸くスタンドに呼応するように、喜びの声を上げながら自身が着用していたアンダーシャツを指差していた。そこには「誰より熱く」「気合見せたれ」「大津の大黒柱」といったものから「イケメソ。」という笑いを誘うようなものまで数々のメッセージ。控え部員たちがピッチで戦う各選手たちのアンダーシャツに書き記した言葉とともに戦い、大津は3年ぶりとなる全国切符を勝ち取った。

 下級生の頃から年代別日本代表に名を連ね、ロアッッソ熊本の特別指定選手としてJ2での先発出場も経験してきた野田にとっても待ちに待った選手権全国舞台だ。だが、その切符を掴みとった試合は反省材料の多い試合となった。相手のファインゴールが続いたとは言え、まさかの4失点。「4失点というのは悔しい。DFとしては完敗だと思う」という非常に悔しい結果に終わった。後半15分にアンラッキーな形から奪われた4点目の後は見事に立て直し、野田自身もルーズボールをダイビングヘッドでクリアしたり、前線へ入ってくるボールを身体を張って食い止めて東海大熊本星翔高にシュートを打たせなかったが、やはり納得の行くスコアではない。「修正、改善して挑みたい」。守備の柱として全国での巻き返しを誓っていた。

 それでも野田自身は身体のキレの良さを感じさせるプレーの連続だった。これは今秋にG大阪への練習参加を経験してから改善してきた成果。「ガンバに練習参加行ってディフェンス力というか、アジリティだったり、キックの質だったり、まだJ1でやれるレベルじゃないと思っていたので、朝練からスプリントしたりというのは続けてきましたし、アジリティの部分もやってきたので自信になっていると思います。動けるプラス、動けると予測というのがもう一段階できる。足が使えるということは、それだけ動けるということなので、予測する幅も広くなった」。決してスピードのある選手ではない野田は特に戦う姿勢と予測力の速さで勝負するCBだったが、本人も手応えを得ている動きの質、量が向上したことによって持ち味の予測力がより発揮できるようになってきている。

 J1、J2のクラブが争奪戦を繰り広げた逸材。その中でG大阪入りを決めたのはより高いレベルの日常を求めたからだ。「自分が練習参加した時にパトリックさんとかマークしたんですけど、こういうのを毎日毎日やっていけばレベルアップすると思ったし、東京オリンピックも控えているので一番良い環境かなと思う」。東京五輪世代期待のCBは例えすぐにメンバー入りすることが叶わなくても先を見据えて最も成長できる環境に進むことを選んだ。そしてその経験を早速自らの成長に繋げている。

 G大阪サポーターも注目するであろう選手権全国大会。「ガンバには丹羽さん、岩下さんとか、西野さんとか日本を代表する選手がいると思うので、それに負けないくらいの気持ちと闘争心で頑張りたいと思うので応援よろしくお願いします。(選手権では)自分の戦う姿勢だったり、ロングキックだったり、対人の強さだったりを見てほしいです」。この日は攻撃陣に助けられる結果となったが、不甲斐ない結果に終わった反省も込めてまた努力、成長し、チームを日本一へ導いてプロの門を叩く。



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