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「打とうとも思ったけれど…」、流経柏高出身・早稲田大FW宮本拓弥が鮮やかヒールでアシスト

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[11.15 関東大学リーグ第22節 法政大1-2早稲田大 西が丘]

 ストライカーとして、自らの点も欲しかった。しかしチームの勝利を優先し、迷うことなくパスを出した。早稲田大FW宮本拓弥(4年=流通経済大柏高)は先制点をアシスト。引き分け以下で優勝が消滅する危機にあったチームを落ち着かせる先制点をお膳立てした。

 0-0で迎えた後半8分、PA左でFW山内寛史(3年=國學院久我山高)のパスを受けた宮本は「自分の得意な形で受けられて、反転してシュートを打とうとも思った」という。しかし、「相手もマークしていて、後ろを見たら山内が走ってきていたので、ヒールで落とせば崩せるな」と即座に判断した。

 宮本がヒールで落としたボールを拾った山内は、冷静に右足シュート。これがゴール右隅へ決まり、早稲田大は1-0と先制に成功。その後に1点を追加すると、終了間際に1失点しながらも2-1で勝利した。

 宮本は「ヒールパスのようにしたら、山内のところに転がってくれて。シュートという選択肢もあったけれど、アシストという結果で残せてよかった」と振り返る。

 ストライカーとして、自らのゴールが欲しい気持ちがあったのは確かだが「まずはチームとして1点が欲しい状況だったので。あそこはアシストで正解でした」と冷静に話した。

 今季のリーグ戦、全22試合に出場した宮本は、関東大学1部リーグ全選手のなかで2番目に多い50本のシュートを打ったが、通算ではPKでの3点を含む7点に留まった。それ故、優勝で終えた今季についても「満足と言うものはなかった」と険しい表情。「もっと取れるチャンスはあったし、貪欲さも必要だった」と悔しさものぞかせた。

 大学最終年の4年生である宮本の元には、J1およびJ2クラブからオファーが届いており、全日本大学選手権(インカレ)開幕前の11月中にも進路は決断する意向だという。

 リーグ戦を不完全燃焼で終えたFWは「だからこそインカレでも優勝しないといけないという責任は強く芽生えた」とキッパリ。「得点を取って、チームに貢献したい」と改めて誓った。

(取材・文 片岡涼)
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