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[選手権予選]響くバースデーソング、正智深谷主将MF小島が“兄越え”目指し全国へ

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[11.15 全国高校選手権埼玉県予選決勝 西武台高0-1正智深谷 埼玉]

 歓喜に沸く正智深谷高のスタンドから、この日、18歳の誕生日を迎えたMF小島遥(3年)にバースデーソングがプレゼントされた。「最高だった。感謝するしかないですね」。試合後、目の前で祝福を受けた主将は、照れながらも満面の笑みを浮かべていた。

 下級生メンバーが多くいるチームを主将として引っ張った。今季は関東大会予選、総体予選とも1回戦で敗退。「自分たちの代は弱いと言われていた」と話した小島は、「言葉通りだと痛感したので、2年の力も必要でしたが、最後は自分たちが引っ張るという強い気持ちを持っていました」と胸を張った。

 全国大会では“兄越え”が目標になる。正智深谷高が全国選手権初出場となった2012年大会、現在は順天堂大でプレーする実兄のFW小島凌が出場した。兄は現ジェフユナイテッド千葉のFWオナイウ阿道と2トップを組んでピッチに立ったが、1回戦で準優勝した京都橘高にPK敗けを喫した。

 2人兄弟。高校入学時は兄と違う道も考えたが、「強くて、家から自転車で5分の場所にあり、練習時間が増えること」を理由に正智深谷高に進学した。そして主将としてチームを引っ張った最終学年、正智深谷を兄世代以来となる全国へと導いた。

 前日に実家に帰ってきたという兄からは、「絶対優勝して来いと言われた」と明かす。「ここで敗けたら兄ちゃんを越せないので、何かしら言われ続けたと思うので」。冗談交じりに話した弟だが、「全国でしっかり勝って、兄ちゃんを越えたい」と明確な目標を掲げる。正智深谷にとっての全国選手権初勝利。それが叶ったとき、小島兄弟としてのリベンジが果たされる。

(取材・文 児玉幸洋)

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