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[選手権予選]48代表校出そろう!夏の全国王者・東福岡は決勝も圧倒、4-0で福岡突破!

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[11.15 全国高校選手権福岡県予選決勝 東福岡高 4-0 筑陽学園高 レベスタ]

 第94回全国高校サッカー選手権福岡県予選は15日、レベルファイブスタジアムで決勝を行い、夏の全国高校総体王者の東福岡高筑陽学園高に4-0で快勝。3年連続17回目の全国大会出場を決めた。同日までに全国大会の出場全48校が決定。16日には都内で組み合わせ抽選会が開催される。

「『全国で勝てるチームはこういうところでも大差つけて勝てる。全国で戦うために4-0、5-0で勝っておかないといけない』と志波先生にずっと言われていた」。MF中村健人主将(3年)は選手権連覇や全国3冠を成し遂げている志波芳則総監督から「全国で勝つ」ためのメッセージを受けていたことを明かした。対戦した筑陽学園は総体予選決勝では1-0、それも後半アディショナルタイムの決勝点によって競り勝った相手。その難敵相手に高いノルマが設定されたが、前半、選手たちは期待に応えるパフォーマンスを見せる。

 筑陽学園は東福岡のシャドー2人に対してマンマークを敢行。エースMF中村にMF堤秋太(3年)、全国総体得点王のMF藤川虎太朗(2年)にはMF後藤拓翔(3年)がそれぞれ付いて、また1トップのFW餅山大輝(3年)が前線から中盤へ降りてきた際にはMF南里慧斗(2年)が対応して相手のキーマン封じにかかった。特に中村に対しては厳しいチェック。それでも中村が「予想は大体ついていたので焦れずに、他を活かせるようにスペース空けたりすることを意識していました」と振り返ったように、シャドーの2人がマークを引きつけながら下がったり、タッチライン際まで開いたり、他の選手たちと連係してスペースを作り出す。そして、スピードのあるショートパスをつなぎながら大きな展開を交えて揺さぶる東福岡だったが、序盤は強引に崩しにかかったところでボールを失うシーンも目立った。

 速攻からオープンスペースを狙う筑陽学園は7分、MF大原一浩(3年)がスピードを活かしたドリブルで左サイドから中央へ切れ込み、右足シュート。だが、前半のシュートはこの1本に終わってしまう。対する東福岡は18分、左FKのクリアボールをMF三宅海斗(3年)がクロスバー直撃の弾丸ショット。会場をどよめかせると、20分にスコアを動かした。右SB林雄都(3年)が上げたアーリークロスでDFの背後を取った餅山が左足シュートを流し込んで先制。この後も「みんな気付ける。周りに気を配れる。人のためにスペースをつくったりするプレーができてきている」と中村が説明したように、正確な技術をベースにスペースを作る動きとそこに入り込む動きが噛みあう東福岡は23分に左SB小田逸稀(3年)が強烈な右足シュートを放ち、25分には右サイドから林、餅山、中村と繋いで最後は藤川の右足シュートがゴールを捉える。

 筑陽学園もGK木下歓彦のファインセーブなどで青く染まったスタンドを沸かせるが、東福岡は26分、敵陣中央でのターンで前を向いた餅山がスルーパス。これをMF橋本和征(3年)が左足で流し込んで2-0とした。筑陽学園は30分に堤に代えて正確なキックが持ち味のMF清水那粋(3年)を投入して巻き返しを図るが、東福岡は直後の32分、中村とのワンツーを完結させた三宅が切り返しから鮮やかな左足コントロールショットを決めて3-0と突き放す。東福岡は37分にもPAまでボールを運ぶと、餅山からのパスを受けた三宅がDFを引きつけてスルーパス。これを右サイドから走りこんだ林が右足で叩き込んで4点目を奪った。

 東福岡は不用意な横パスを大原にインターセプトされて独走されるシーンがあったものの、CB児玉慎太郎(2年)がカバー。筑陽学園は後半立ち上がりに押し返し、敵陣でプレーする時間を伸ばした。大原、後藤が個人技とスピードでファーストDFを外して前進するなどスピードある攻撃でゴールを目指したが、東福岡は1ボランチのMF鍬先祐弥(2年)やCB福地聡太(3年)、児玉がカバーしてU-17日本代表GK脇野敦至(3年)が守るゴールにシュートを打たせない。

 相手にシュートシーンを作らせないまま試合を進めたものの、東福岡も前半の4ゴールでやや落ち着いてしまい、後半はギアが上がらず。藤川と中村が技術の高さを示してつくり出した32分のビッグチャンスなど決定的なシーンはつくるものの、シュートを決め切ることができない。「前半の40分はみんな凄くいいテンポでボールを動かしてフィニッシュも凄いいい場面までもっていけた。でも後半は点差がついたこともあって集中が完全にできていなかったところがあった」とGK脇野が指摘したように課題も残る展開に。終盤はミスによる危ないシーンもあった。それでも得点を許さずに4-0の試合終了。ノルマクリアのスコアで全国進出を決めた。

 全国総体優勝校、そして激戦区・福岡予選4試合を20得点1失点という圧倒的な強さで勝ち抜いた東福岡は全国大会でもターゲットとされる立場になることは間違いない。だが、同じく全国総体を圧倒的な力で制して優勝争いの本命と目された昨年度、同じく優勝候補に挙がっていた一昨年度も3回戦で姿を消しているだけに選手権で勝つことが容易ではないことをスタッフはもちろん、選手たちも理解している。森重潤也監督は「(ライバルたちのターゲットになることは)昨年も経験しているし、十分承知の中でやっていかないといかないと思います。今の選手たちにも言っているように、なぜベスト16で終わったのか。いつも比べられながら来ている彼らだからこそ、乗り越えさせてあげたいし、彼らにも本気になってもらいたいと思います」。強い先輩たちと比較され、「弱い」というレッテルの中で粘り強く、逞しく成長して福岡3冠、全国総体優勝、プレミアリーグWEST2位(第15節時点)という素晴らしい成績を残してきている選手たちだが、現状に満足するつもりはない。林が「今年は優勝したいです。(これまでの結果を)自信にするのはいいですけど過信にしないで謙虚にやっていくこと」と語ったように、自信を持ちながらも謙虚に努力する構え。これまで以上の高い意識を持って、より厳しいトレーニングに取り組んでいく。昨年の経験者でもある中村は「選手権って難しい。そこで自分たちの本当の強さを見せるために選手権を戦っていきたい。細かいところの質、右足、左足のパスをどちらに出すかとか、ちょっとの差が重要になる」。日本一になるためには昨年、一昨年以上の準備が必要。東福岡は「本気」の1か月半を過ごす。

(取材・文 吉田太郎)

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【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015

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