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[MOM1603]東福岡FW餅山大輝(3年)_相手の堅守破る一撃、試合の流れ傾ける先制弾

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[11.15 全国高校選手権福岡県予選決勝 東福岡高 4-0 筑陽学園高 レベスタ]

 まさにストライカーの仕事だった。東福岡高は序盤から4-5-1システムのシャドーに位置するMF中村健人主将(3年)とMF藤川虎太朗(2年)が筑陽学園高MFにマンマークされる展開。2人はスペースに動いたり、中への動きを見せたりしながらスペースをつくり出し、それに呼応するように攻める東福岡はチャンスもつくり出していたが、厳しいチェックと無得点が続いたことでやや苛立ちをを感じさせるようなシーンもあった。

 迎えた前半20分、東福岡は1トップのFW餅山大輝(3年)が巧みな動きでDFのマークを外して先制点を奪う。右SB林雄都(3年)の右アーリークロスが上がった瞬間、餅山は相手DFよりも速く落下地点を予測。動き直してDFの背中を取り、ボールをコントロールすると冷静に左足シュートをゴールへ沈めた。「DFが2人いたと思うんですけど、ボール出た瞬間にひとりは絶対に裏取れていたので、もうひとりも裏取れるなという感覚がありました。左足で綺麗に決めることができた」。ポジション争いをしてきたFW毎熊晟矢(3年)が先発出場した準決勝で足首を痛めて途中交代。この日ベンチからも外れた毎熊に代わって先発した大型ストライカーは、森重潤也監督も「練習通りと言えば練習通りと言えるかもしれない。でも、こういうゲームで決めたのは逞しくなったかなと思った」と讃えたゴールで均衡を破った。

 筑陽学園とは総体予選決勝で対戦。アディショナルタイムにMF鍬先祐弥(2年)が決めたゴールによって勝ったものの、苦しい試合だった。それだけに餅山は「ロスタイムでの1-0だった。早い段階で先制点取れたら楽に試合を進められると思ったので、1チャンスものにできたのは良かったです」と笑顔。堅守を特長とする相手の守りに自身も苦しむ時間帯があったと明かす。だが「自分が落ちた時も23番(南里慧斗)がついてきていた。やりにくさもあったけれど、時間とともにフリーで前向けるシーンが増えたので2点目も取れた」。その言葉通り、前半26分の2点目は餅山がDFを外してターンし、左サイドのMF橋本和征(3年)へスルーパスを通して生まれたもの。後半にも個人で、連係で決定機に絡んだが決められず「後半まだ取れた。改善点はあります。相手がレベル高くなるにつれてワンチャンスで試合が決まる場面が増えてくると思うので、後半に2本、3本と打ったけれどあれを決められるようにしたい」と反省を口にしたが、それでも存在感あるプレーだった。

 昨年度の全国大会では敗れた静岡学園高戦で交代出場。「1本決めていれば同点で流れ変えられたという点で外してしまった。今年はそういう負け方をしたくない。一本の大切さを上げたいですね。スーパーゴールも取りたいですけど、泥臭くても1点は1点、練習でも意識しているので、選手権でそういう得点ができればいい」。スーパーゴールを決める一方で簡単そうに映るシュートを外すことも少なくなかった。だが、準決勝ではクロスを1タッチで合わせ、この日も背後を取る動きでゴールを決めるなど得点パターンが増えてきている。「精度を上げればもっと取れると思う」と掲げた目標を少しでもクリアして全国に臨む。

 CBとしても注目されてきた餅山は、下級生の時からスタッフと話し合いを続けて最高学年になった今年はFWに専念してきた。「3年になって9番もらえたので、この番号もらう責任があると思う。得点を取らないといけない番号だと思うので、もっと試合に貢献できるように、ゴールを決められるようにしたい」。憧れは現在よりもより獰猛さのあったリバプール時代のFWルイス・スアレス(現バルセロナ)。全国でも貪欲にゴールを目指し続けて背番号9に相応しい活躍を見せる。

[写真]前半20分、東福岡はFW餅山が左足で先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015

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