beacon

[MOM1605]鳴門高FW坂本一真(2年)_スピード自慢の2年生エースが決勝点

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.15 全国高校選手権徳島県予選決勝 徳島市立高 0-1 鳴門高 徳島市球技場]

「スピードやったら、絶対に徳島で一番。四国でも通用すると思う。ドリブルもシュートも上手いし、チームの皆が信頼する選手」(GK河野匠哉)。チームメートが信頼を寄せる鳴門高の2年生エース坂本一真が大一番で、仕事を果たした。

 8月のミニ国体で負傷した右鎖骨が治り切っていないため、2、3回戦の出番は前半のみ。準決勝の城北高戦も途中出場で終わっていた。この日は「テレビで皆が見ているので、緊張した」ものの、これまでの試合を取り戻すべく、「まずはシュートを狙うこと。DFの背後を狙って、相手を疲れさすことを狙っていた」。だが、前半は徳島市立の攻撃を受ける時間が続き、攻撃機会はごくわずか。彼にボールが渡る回数も少なく、不完全燃焼だったと言える。

 それでも、後半はサイドに流れてボールを受ける機会が増える中、「DFが頑張ってくれていたら、絶対に決めようと思っていた」という彼に絶好のチャンスが訪れた。37分、中央引き気味でボールを受けたFW川添晃に入った瞬間に、「徳島市立の守備が手薄になって、川添クンにボールが入った瞬間に、裏が空いていた」と中央からエリア右に飛び出した。ワンタッチ目でDFを引き離して、シュート。ボールはGKの脇を抜けてゴールネットを揺らし、これが決勝点となった。

 1年生だった昨年は交代出場が主で、「悔しかったので、自分が出たら勝てる試合にしたいという気持ちでこの一年間頑張ってきた」。持ち味であるスピードは、中学時代に50m6秒ジャストを記録するほど。加えて、「ボールを追いかけている方が速くなる」と試合になれば更に速さが増すタイプだが、ただ闇雲に走るのではなく、タイミングよく裏に出ることを心がけてきた。また、「思い切りよくコースを狙う」ことで、最近になってからは決定力も高まってきたという。

 ポテンシャルの高さはライバル校の監督が認めるほどで、今後飛躍を遂げる可能性は十分にある。「一個下やけど、サッカーでの関係は対等。『ここにボールを出してほしい』とか、かなり意見を言ってくれるのでやりやすいし、俺としても意見しやすい。もっと試合をこなすことで、より良い関係を築けるのかなって思う」と話すMF中尾慶心も坂本一を認める一人。「一真のことは認めているので、言われたらできるだけ聞くようにしているけど、言うからには『お前もちゃんとせえよ』って思うんですよ。体幹をちゃんと鍛えて、当たり負けしないようになれば化けると思う」と注文を忘れないのも、期待しているからだろう。

 全国で対峙するのは格上ばかり。この日同様に、押し込まれる展開が予想されるため、カウンターで彼の速さが活かされる場面があるはずだ。見る人と相手を驚かせる可能性はある。「ずっと選手権に憧れてきたので、勝てて嬉しい。『徳島ってレベル低い』って思われたくないので、全国で勝ちたい」という意気込みを果たせるか期待したい。

(取材・文 森田将義)

※↑別サイトへ移動します
▼関連リンク
【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015

TOP