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遠藤保仁著『白紙からの選択』_第4回「きっと僕には、『プライド』がないんだと思う」

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 MF遠藤保仁(G大阪)の最新刊『白紙からの選択』(12月12日発売、講談社刊)の発売を記念し、ゲキサカで始まった短期集中連載。書籍の一部を抜粋して、水曜日の朝に、お届けしていく。

 第4回は、遠藤の意外な心情、そしてサッカーへのひたむきな想いを明かす。


きっと僕には、
「プライド」が
ないんだと思う。


 最近、ときどき考えるんですよ。「プライドが邪魔する」って、よく言うじゃないですか。その「プライド」って、いったいなんなのかなと。

 そんなことを考えるようになったのは、2014年のワールドカップ・ブラジル大会が終わって、日本代表に呼ばれなくなった頃からですね。僕の場合、それによって「プライドが傷つく」という感覚は一切なかったし、その他の感情も特に湧いてこなかった。でも、周りの人は僕以上にそのことを気にしてくれたみたいで、つまり「年齢を理由に遠藤を代表に呼ばないのはおかしい」という話になる。

 きっとそれって、僕のプライドを気遣ってくれているんですよね。じゃあ、そもそも彼らから見た僕の「プライド」って、なんなのかなと。これまでの実績のこと? それとも、他人から見た僕の実力のこと? それが分からないから、興味が湧いてきたのかもしれません。

 ほら、よく聞くじゃないですか。年齢を重ねて、少しずつ身体が動かなくなって、自分のイメージどおりにプレーできなくなったところで「自分のプライドが許さない」って。そうなるとサッカーが楽しくなくなって、引退という決断をする人もいる。でも、僕にはそういう感覚がまったくない。きっと、プライドがないんだと思うんですよ。だって、まだまだサッカーやりたいし、すごく楽しいから。


<書籍概要>
■書名:白紙からの選択
■著者:遠藤保仁
■発行日:2015年12月12日(土)
■版型:四六判・200ページ
■価格:1200円(税別)
■発行元:講談社
■購入はこちら

▼これまでの作品は、コチラ!!
○第3回(11月25日公開)「基本、何も考えてません」

○第2回(11月18日公開)「14本のクラブを使い分けるように一本の足を使いこなしたい」

○第1回(11月11日公開)「代表選手は中途半端な気持ちであの舞台に立ってはいけない」

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