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[プレミアリーグWEST]参入3年目で初タイトル。神戸U-18を下したG大阪ユースが頂点に

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[11.28 高円宮杯プレミアリーグWEST第17節 神戸U-18 0-2 G大阪ユース いぶきの森]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグWEST第17節第1日が28日に行われ、5位のヴィッセル神戸U-18(兵庫)と首位・ガンバ大阪ユース(大阪)が対戦。後半にFW武田太一とMF堂安律が奪った得点により、G大阪が2-0で勝利し、最終節を前に優勝を決めた。

 2位・大分トリニータU-18(大分)と勝ち点4差のG大阪は勝てば、自力で優勝の決まる大一番。受けて立つ神戸は「引いて守って引き分けに持ち込み、目の前で優勝させないやり方もあったけど、そんなことをしても仕方ない。良いチームとは自分たちのスタイルで堂々と戦うことが成長に繋がる」(野田知監督)と、真っ向勝負を選択した。

 序盤から主導権を握ったのはG大阪。前半9分には自陣から前線にフィードを展開すると、競り合いのこぼれ球を拾ったFW宮森祐希がシュートまで持ち込んだが、DF山川哲史が懸命にブロック。27分には、MF市丸瑞希のスルーパスから武田がオフサイドぎりぎりで、ゴール前に飛び出したが、神戸DFに拒まれた。「前半は勝てばタイトルが獲れるという意識が強くて、バタバタしてしまった」(MF高木彰人)という言葉通り、G大阪は攻守両面で優勢に立ったが、相手DF裏へのスルーパスを多用するなど、前に急ぎ過ぎる場面が散見する形に。PAにボールが出ても神戸DFの粘り強い守りを崩しきれない。「僕の気負いが選手たちに伝わってしまった」と梅津博徳監督が口にしたように、優勝への重圧もあり、無得点のまま試合を折り返した。

 後半の立ち上がりは一転して神戸ペースに。高い位置でのボール回しからG大阪を押し込むと、後半8分に前線にクサビのパスを展開。一度はG大阪の守備に跳ね返されたものの、こぼれ球を拾ったMF中坂勇哉が左に開き、FW安井拓也がゴールを狙ったが、枠を捕らえることができない。10分には再び、G大阪。前線で仕掛けた高木が相手DFに潰されたものの、こぼれ球を市丸が拾って、縦にパス。受けた武田がドリブルからシュートを打ったものの、DFに阻まれた。

 両者、ゴール前まで進出しながらも1点が奪えない時間が続く中、均衡が崩れたのは後半23分。市丸がゴール前に上げた右CKを武田がヘッド。クロスバーに当たったボールがゴールラインを割り、先制点となった。だが、直後の26分にはDF杉山天真からGK羽野匡哉に戻したボールが連係ミスにより、神戸FW向井章人に狙われる場面も。このピンチは羽野が辛うじてブロック。こぼれ球を中坂に詰められたが、コースを切ることで失点を免れた。その後は攻勢を強めた神戸がゴール前に進出する機会が増えたが、G大阪DF陣が集中を切らさず失点を回避。このまま試合終了かと思われた48分には自陣でのカットから大きく右に展開し、フリーで受けた堂安がゴール前に切れ込んでダメ押し点をマークした。この結果、2-0で勝利したG大阪が1試合を残して、プレミアリーグ初優勝を達成した。

 G大阪は13年にプレミアリーグに昇格したが、初年度は残留争いに巻き込まれる一年に。優勝争いを牽引した昨年も残り3試合で、1勝2敗と減速してタイトルを逃していた。今年も夏の中断明けの第11節から2連敗を喫するなど、苦しい一年となっただけに、タイトルの喜びもひとしお。梅津監督が「優勝を決めるチャンスが残り1試合ある中、1回目で決めることができてホッとしている。今年1年間苦しんだので感慨深い。色々、言ってきながらではあったけど、結果を出せたのは少し成長できたからなのかなと思う」と喜べば、来季からトップ昇格が発表されたばかりのDF初瀬亮も、「今夏のクラブユース選手権はタイトルを逃した上に、自分も怪我で試合に出られず、悔しい想いをしていた。Jユースカップも自分のPKミスによって、3回戦で負けてしまっていたので、WESTで優勝できてホッとしている」と胸を撫で下した。

「良い準備をして、最高の舞台で最高のパフォーマンスを見せたい。G大阪は伝統のあるクラブだと思っているので、誇りを持って、頑張りたい」と梅津監督が口にしたように、WEST制覇に満足せず、プレミア最終節のセレッソ大阪U-18戦とチャンピオンシップでの勝利を目指す。

(取材・文 森田将義)
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