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[大学選手権]東海得点王FW大野は不発…初戦敗退の常葉大浜松・澤登監督は愛あるゲキ

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[12.8 全日本大学選手権1回戦 北陸大1-0常葉大浜松 町田]

 東海王者として2年連続で全国の舞台に挑んだ常葉大学浜松キャンパス(東海1)だったが、北陸大(北信越)に0-1で敗れると、昨年に続いての初戦敗退となった。

 東海学生リーグ得点王のFW大野耀平(3年=帝京高)も不発に終わっての零封負け。試合後、大野は「FWが点を取れなくてチャンスを決めきれず、チームも負けてしまって悔しい。まだまだと痛感しました」と唇を噛んだ。

「もっと裏に飛び出て起点になりたかったけれど、あまりボールも回せなくて裏に抜けることができずにチームのためにはならず、思うようなプレーはできなかった」。後悔ばかりが口をついた。

 互いに沈黙した前半は見せ場がなかったものの、後半に入ってからは幾度かチャンスを演出した。後半28分には、DF濱一誠(3年=藤枝明誠高)がPA左から仕掛け、クロスを正面で受けた大野が左足ですくうようにシュートを放ったが、ゆるいボールはGKに止められた。後半2本のシュートに留まった大野は後半32分に交代した。

 澤登正朗監督は「相手にマークされてキープできない場面はありましたけど、守備のところの貢献度はあるし、チームのためにどれだけできるかという意味ではよくやってくれています」と大野をかばう。

 しかし一方で、不発に終わったことについては「FWは点を取ることが仕事。左足で一度フィニッシュまでいったが、しっかりと打てなかった。あれをばしっと蹴れるような能力をもう少し身につけないと。まだまだ」と厳しい口調で話した。

 現在、大学3年生の大野は将来について「声がかかれば、Jリーグを目指して頑張りたい」と言う。だからこそ、澤登監督は「将来も考える中でこういう場でどれだけできるかというのが一番大事。できなかったというのはまだまだ足りないんだと、自分を見つめ直すいい場になったんじゃないか」と思いやる。

 来春には常葉大浜松へ神戸弘陵高からMF土井智之(3年)が進学予定。指揮官は「ポテンシャルも高いし、即戦力として考えている」と明かし、大野と組ませるプランもあると話した。4年生の引退とともに、またメンバーが入れ替わり、新たなシーズンが幕を開ける。最終学年として迎える2016年へ向け、大野は「しっかりと東海で勝ち抜いて全国大会で通用するチームをつくっていきたい」と意気込んだ。

(取材・文 片岡涼)
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